GS1250ADV SUGURU’s DIARY

還暦超のアルピニスト・バイク乗りの極めて平凡な日常

リアタイヤの交換  朝イチの作業ありがとうございます

10月7日(金)

 この日は朝から雨模様☔でしたが、モトラッド長野さんで朝イチにリアタイヤの交換をしていただきました。
 「あいにくの雨ですが(交換作業)どうしましょう? 他日に調整していただいてもいいですよ。」

 とのメールをいただいたのですが、大した雨ではありませんし、雨中走行が嫌ではなんのためのAdventureよ! ということで予定していただいた通り、お訪ねさせていただきました。
モトラッド長野 
https://www.bmw-motorrad.jp/motorrad-nagano/ja/home.html

開店前から整備場前にやってくる面倒な客?

開店前から整備場前にやってくる面倒な客?

 開店前から整備場に乗り込むという面倒な客であったかと思いますが、いつも丁寧、迅速な作業をしていただき感謝です。σ(😊) 
前回のフロントタイヤとついでのオイル交換の時には、
https://gs1250suguru.hatenablog.jp/entry/2022/04/28/160000
試乗車F900XRをお貸しいただき隣の松本市…とはいいながら安房峠まで…を一回りしていたのですが、本日は雨が降り続いているので店内で過ごしていました。様々な機種をゆっくり眺めることができました。魅惑的な機種がたくさんで…。増車したくなってしまいますよね。いけない、いけない…。

様々な機種が展示されています。
増車…したくなりますね。
Kさんいつもおいしいコーヒー
ありがとうございます!

 タイヤ交換時期ですが、前車空冷GSと同じような感じです。フロントタイヤが一万キロ、リアタイヤが一万五千キロといったところです。リアタ二回目とフロント三回目の時に前後同時変更で銘柄選択ができそうですね。現在はBSのA41です。高速道路、舗装道路等オンロードに振った性格のタイヤですが、私が踏み入れる程度の林道やフラットダートなどでも問題ないタイヤです。
BATTLAX|BATTLAX ADVENTURE A41|二輪車用タイヤ|株式会社ブリヂストン (bridgestone.co.jp)

思いっきりロードに振っていますが、
フラットダートなら十分いけます!

 次回〔おそらくは三万キロ時〕には、前後メッツラーにしてみようかな。前々車ZZ-R、前車空冷GSでも一時メッツラーを愛用していたのですが、とても好印象なのです。
 小一時間でタイヤ交換と軽い点検の作業を完了していただきました。
 あわよくばタイヤ交換のあと少々遠路出かけようと企んでいましたが、今日のところはかなりの雨が続いていますし、新品タイヤは要注意ですので、塩尻峠〇往復だけで帰宅しました。
 お忙しい中日程調整していただいたモトラッド長野さんに感謝です。

人に優しく 働きやすい職場    

事例紹介          

 ① 企業理念「いい会社をつくろう」

 ➁ 「つながり」「やさしさ」「わざ」

 ➂ 得意を伸ばす  多様な人材を生かす

 

 本県下伊那郡Т町に、地域から頼られ、雇用の受け皿として大きな役割を果たしているK精工という会社があります。

 株式会社協和精工 - YouTube

 http://www.neri.or.jp/www/contents/1603344971191/index.html

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 地域の養護学校の卒業生の就労先としての相談も多く、障がい者6名(2020年)を雇用しています。「多様な人材を生かしている」ことが評価され、経済産業省「新ダイバーシティ経営企業」にも選定されています。

新・ダイバーシティ経営企業100選 (meti.go.jp)

 

 企業理念にある「いい会社」とは、

「どんな人にもいい会社であり、障がい者にとってもそれは例外ではない」

 ということです。この理念は、会長であるH氏の経営理念そのものです。
 この企業理念を実現するために、具体的なメッセージとして、「つながり」「やさしさ」「わざ」という3つの言葉が添えられました。
 同社の障がい者雇用は、養護学校から依頼され、自閉症を持つ方を雇用したことが最初ということです。
 当初、コミュニケーションをとることが難しかったのですが、仕事ぶりは真面目で、同じペースで乱れず作業を進めていたそうです。

「一人の作業が得意ならば、それを伸ばせばいい」

 という方針で成長を支援していきました。その結果、仕事に自信をもち、今では積極的に同僚とも話をしているとのことです。

「じっくりと育てることで、強みを引き出せばいい」 

 社長は実体験からこのように語っています。

 

1 「障がいも個性のひとつ」「多様性の組み合わせこそが経営」

 障がいのある方が他と変わらない働きができるのは、「多様性の組み合わせ」を進めていることによります。中途採用した人を含め、得意な部分は誰もが様々です。こうした人材ひとりひとりの「強み」を見出し、組み合わせて仕事に取り組むようにしているといいます。個人の強みを引出し、他のメンバーと組み合わせることで、発揮できる力を高めてきました。それが会社成長の秘訣であるとも言います。

 この会社が管理職に求める能力で一番大事と考えるのは「コーディネート力」ということです。

同社の避難訓練の様子です

2 基本にある従業員の「やさしさ」

 上記のような「各人の強みを見つけ出して組み合わせ、成果を出していく」という地道な努力は、管理職だけでなく、多くの従業員が受入れ・納得していなければ進めることはできません。同社の従業員は基本的に皆が優しいと言われます。同社の風土が社員を優しくしているのです。障がいの程度種類の異なる障がいを持つ社員に、教え方を変えたり工夫したりしながら、根気強く教え続けていく姿があると言います。そして、そうした社風ゆえに、優しい心の人間が採用に応募してくるという好循環が生まれています。

「誰もが働きやすく、社員の「強み」が引き出され伸びていく職場」 

 = 障がい者雇用が生み出した成果

「担当業務を本人の秀でている分野に特化し、適切な指示をすれば、よい成果がでると考えています。」

 

いま始まる 新しいいま

「いま始まる 新しいいま」  川崎洋さんの詩

きのうしらなかったことを きょう知る喜び
きのうは気づかなかったけれど きょう見えてくるものがある

 こんな思いを持つことができる日々を、たしかな足取りで過ごしていけたら 素敵ですよね。
 いま、私が支援させていただいている「チャレンジ職員」の皆さん方は、それぞれの職場(学校)で、日々力を尽くしている毎日が、こうした日々であるといいなと思っています。

学校事務室での業務は
「初めて」という方がほとんどです。

 苦しいことや難しいこと、困難なことに出会うこともあるでしょう。
 思うように、願うようには物事が進んでいかないこともたくさんあると思います。
 人には理解してもらえないこと、話しにくいこともあるでしょう。
 様々な思いの中で、日々頑張っている皆さん方には、「いつもいつも 新しいいのちを生きよう」 という思いを抱いて、力強く生きていただきたいとの願いを持っています。

チャレンジ雇用の概要

◇「業務の切り出し」の工夫と配慮したいこと
 支援のための訪問をしている中で気づくことですが。多くの場合において難しい問題となるのが「業務の切り出し」と「コミュニケーション」であると思います。一般企業の場合においても、障がいのある方をせっかく雇用しても、この二つがうまくいかずに退職してしまうケースが多いと言われています。
 この「業務の切り出し」と「コミュニケーション」という両者について検討することは、障がい者の就労環境を良くするということだけでなく、企業全体にとってのメリットが実に多いと言われています。それでは、具体的にどんなメリットがあるのかについて、これまで出会った事例から拾ってみたいと思います。

〔業務の切り出し〕 
 就労しているということは、業務があるということです。
 業務が少なすぎると、働く人のモチベーションは続かないものです。しかし、適時に、適切な内容と量の業務を…というのがなかなか難しい。
 一例として、既存の社員(職員・教員)が、後回しにしがちな仕事をフロー化して業務として切り出すという手だてをとることによって、双方の生産性の向上に繋がった例があります。
(教職員が)「後回しにしてしまいがちな仕事」。
 自分もいくつも覚えがあります。ただ、教職員としては、任された校務分掌について「自分で(自分の責任において)処理していくべきもの!」 と考えている人も多いと思います。それが教師としての責任感であり矜持であるということもあります。それはそれで大事なことだと思います。しかし、今は、学校も「組織として動いていくもの」とした認識がなされるようになっています。学校としての生産性、教育力を向上させていくためには、多くの職員の連携による取組、チームプレーが必須のものである、という認識が必要であると思います。

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 私も、現役時代を振り返ってみると、ついつい後回しにしてしまうことが多々ありました。この作業を「サポートしてくれる方があればうれしいなあ」 「そうするとこちらに時間を回せるなあ」と思うこともたくさんありました。コロナ対応のこともあり、さらに多忙感を増している教育現場であると思います。双方のメリットとなるとともに、になる業務の切り出しを進めていくことを、これからも伝えていきたいと思っています。


◇経営者が考える 障がい者雇用のメリット

 これまでの活動の中で接触してきた企業の方々とお話をさせていただく中で、「障がい者雇用」に関する工夫事例を示してくれた会社経営者の皆さんは、そのメリットについて、次のことを挙げています。
➀ 地域貢献と企業イメージの向上につながった。
➁ 職場の雰囲気が明るくなった。
➂ 人材育成のスキルを身に付ける契機となった。
➃ お互いに気遣い合う空気が生まれ、社内の雰囲気が良くなった。
➄ 周囲に声を掛け合う社員が増え、社内の雰囲気が良くなった。
➅ 他のものでは続かなかった職務に、障がいのある社員が継続して取組み、成果を出している。
➆ 職員全員の人材育成につながり、組織に多様性が生まれ、企業全体の離職率が下がった。
➇ 障がい者雇用に取組んだことが他のサービスを考える契機となり、新規事業展開に繋がった。

 多くの経営者が、障がい者雇用を進める中で、「雰囲気が明るくなった」「会社の雰囲気がよくなった」「お互いを気遣う空気が生まれた」ということを実感していることを語っています。

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 学校でも同じでした。「障がいのある子どもが在籍する学級には大きなメリットがある!」 ということは、私は、前職にある時にいくつもの学級担任をしてきた経験からも確信をもって言うことができます。
 教員も児童生徒も、そして保護者の皆さんも、障がいのある児童生徒と、ともに生活し、ともに学ぶことによって、それぞれにとって、本当に大きな学びと喜びがあります。
 もちろん常に順風満帆といくわけではありません。大変で厳しい局面にぶつかることもあります。とくに発達障害傾向の障がいを持つ児童との間では、大きな軋轢や対立場面が出現することがあります。双方が受入れや相互理解を拒否するような場面や、お互いのストレスが高まる局面を迎えることもしばしばありました。
 しかし、それを乗り越えようとするとき、学級集団としても、一人一人個人としても、大きな成長と学びがあるのです。相手の願いや思いを理解しようとすること、相手の痛みや苦しみに共感的に寄り添おうとすること、自分の心の動きを見つめ振り返ろうとすること…。その経過において、そこに集ったすべての人々に、実に様々な学びがあるのです。
「あなたが いてくれたから」… 気づくことができた自分の心の内にある差別や偏見、弱さ、偏狭なものの見方。そして、それらを自覚してそれらを乗り越え、克服していこうと共に歩もうとすること。そうしたかけがえのない成長の機会を与えてくれたのは、「あなたが、ここにいてくれたから」です。
 学校と営利企業は、その存在意義や使命はもちろん違います。しかし、「誰もが学びやすい学校(学級)」 が、より高い教育力を発揮していることと同様に、「誰もが働きやすい企業・会社(職場)」が、より高い生産性を発揮するのではないでしようか。

BCN(BMW CLUB NIPPON)大会

 10月1日2日の両日、長野県下伊那郡阿智村「ホテル阿智川」を会場として開催された、BMWバイク乗りの標記集いに参加してきました。
 出発の日、家内と長女が静岡方面に母娘旅に出かけるのを見送ってからの出発。家族も旅行に行くという時は、自分も気兼ねなく出かけやすいと感じますね。

 松江市からお越しの同会中国支部Fさん方6名の皆さんと合流すべく松本市波田経由で島々辺りまで行きましたが、既に通り過ぎたと判断して、昼食場所とお聞きしていた「ペレファカフェ」に向かいました。
【ペレファカフェ】
 松本市四賀七嵐〔旧四賀村〕にあるライダースカフェ
 https://www.facebook.com/perefa.cafe/

 昭和のライダーには(もちろん平成のライダーにも)マドンナ的存在である三好礼子さんが経営されているカフェです。松本近辺でよく見かけ素朴な民家をリノベーションした居心地のいいカフェです。

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ペレファカフェの店内。
パリダカールラリーを闘った車両も展示されています。
礼子さんの…ん十年前のグラビアやポスター等も。
時を超えていつでも素敵です!

 礼子さんはパリ・ダカールラリー参戦を始め、女性冒険ライダーの草分け的存在であるばかりか、トレイルランニングへの挑戦も積極的に行い、UTMB(フランス東南部シャモニーで毎年8月末開催される、ヨーロッパアルプス最高峰モンブランを取り巻くフランス、スイス、イタリアにまたがる山岳地帯を走るトレイルランニングの大会)完走を始め、多くの輝かしい実績を残しています。

 私もかつて参加した長野県開催の某トレランレースのコース上で、一言二言言葉を交わしたことがあります(…抜かれていったということですが)。本当にいつまでも輝き続けている方です。ライダーに限らず多くの皆さんが楽しめる空間だと思います。皆さんお立ちよりください。

 ここで、Fさんほか5名の皆様にご挨拶することができました。今日は東海支部支部長さんが先導されて、昨晩宿泊された奥飛騨温泉の宿を出発後、北アルプス大橋などを回ってこられたとのことです。
 私も「ダカール・カレー」というランチメニューをオーダーしました。ちょっと時間がかかりそうなので、Fさんたち島根県組の皆さんには先に出発していただきました。
 その後、Fさん方は高速で岡谷まで行って、和田峠から白樺湖までのビーナスラインを経て昼神温泉阿智村)へ向かいました。
 私は後発で筑北村麻績村周辺の杣道と峠道をいくつか辿り、麻績インターから高速に乗って同地へ向かいました。

カフェのスタッフさんが撮影してくれました。
これから筑北、麻績のあたりを一回りしてから
阿智村へ向かいます。

爽やかな青空が広がるいい天気でした。
里山の風情に心が安らぐ思いです。

 

 麻績インターからは一走りで山本インターに到着。かつて3年間、某村立学校に単身赴任していた時に何度も通った国道153号線を治部坂峠へ向かいます。午後3時半頃に到着した会場「ホテル阿智川」には、すでに50台を超えるバイクが並んでいました。

 スタッフの方が誘導してくださっていて、その指示に従って行くと、偶然にも「クラウザー・ドマーニ」というお宝級サイドカーの隣に駐車することになりましとた。図らずも緊張した駐車?になりました。滅多に見かけることのない国宝級?のサイドカーだと思います。ちょうどオーナーの方が荷物を整理しているところで、いろいろとお話することができました。また、写真撮影も快く受けていただきました。

クラウザー・ドマニ。
エンジンはBMWの直4(Kシリーズのもの)と聞きます。
まさにお宝級のサイドカーです。
こうしたマシンを颯爽と乗りこなせる
爺さんを目指したいものです。

 会場では北信越支部長のМさんと合流。ご挨拶申し上げ、いろいろとご教示をいただきました。これからもどうぞよろしくお願いします。

会場の「ホテル阿智川」エントランス

公認インストラクターの山田純さん、
WGPレーサー原田哲也さんのトークショーでは
貴重な体験に基くお話しをお聞きすることができました。




裏庭?のビーナスラインにて    本日は八島湿原から車山方面  午前のExercise

9月28日(水)
 勤務日数調整休日のこの日は、バイクでなく自分の走行距離を伸ばそうということで、我が裏庭のビーナスラインの走る高原でのトレランに当てることにしました。

 養護教諭初任者指導ということで本日出勤の奥方を見送ってから準備開始。トレランシューズなどは車載の上、スクランブル発進できるようにしてあるので5分で完了。車に乗り込み、通り道のコンビニでペットボトル500ml×2本と若干のレーションを買い込んで和田峠からビーナスラインへとアクセス。
 先日はここ和田峠に駐車して扉峠・美ヶ原方面の三峰山へとトレランしましたが、今回は八島湿原から車山をエクササイズ会場にしようということで左折。八島湿原ビジターセンターのある広場に駐車します。休日だとここの駐車場は満車どころか道路にあふれていることがありますが、今日は閑散としています。自宅から30分ほどで到着。トレランシューズ(最近は攻めより快適性・安全性重視で短い距離でもHOKA  ONE ONEの厚底靴)に履き替えて出発。(10:40頃)
◇HOKA  ONE ONE
 https://www.hoka.com/jp/
◇八島湿原ビジターセンター
https://shimosuwaonsen.jp/yashima/marsh/

 ビーナスラインをくぐる鹿侵入防止のネットの張られた地下道を通り八島湿原の入口へ。秋色に色づき始めた湿原を前景にしてこれから走るコースが見渡せます。車山山頂にあるドームもよく見えます。

八島湿原の入り口からの展望。
本日のコースが見渡せます。

八島湿原の草木も色づき始めています。

 落ち着いたペースでスタート。山道を少し下ると木道に出ます。観光の皆さんが居るときはこの木道を走ることは憚られますが、本日は誰の姿もないので走らせていただくことにします。右手に湿原と様々な種類の草花を愛でながらの快走ルートです。しかし、この八島湿原ですが、最近は乾燥化してきているとのことで、年々湿原が縮小して草原化しているとこと。季節にもよるかもしれませんが、私の見てきた範囲でも、池沼や湿原は縮小してきたな…ということを感じます。

木道が設置されています。

高層湿原ですので池沼や池塘
美しい風景を作り出しているのですが、
最近は乾燥化してきてかなりの面積が
草原化してきたようです。

所々に鹿の侵入防止の柵が設けられています。

 湿原を約半周したあたりにある小屋(奥霧キャンプ場跡)を通り過ぎると、物見岩のある稜線への登りとなります。草原の緩やかな登りで急登ではありませんので走りで行ける区間です。このルートの良いところは「展望がきく」「ほぼ走れる」「危険な箇所皆無」などが挙げられます。広々とした草原状の山稜なのでどこでも走れ(歩け)るところですが、植生保護のためにも登山道は外さないようにしましょう! でも、積雪期であればスノーシューやクロカンスキーで自由自在に散策できます。こちら側の裏手になりますが、ブランシュたかやまスキー場の最上部リフトから少し歩けば、ここらあたりに到達します。

物見岩と呼ばれる岩のある稜線に飛び出します。

 身体も適度に温まってきて、暑さ寒さも感じることなく、適度なペースで物見岩に飛び出しました。平日ですがハイキングの方もおられました。車山を間近に見通すことができます。
 続いて、蝶々深山に向けて緩やかな登りを進みます。この道も多少岩がごろごろしてはいますが、快適に走ることができます。展望の広がる蝶々深山から眺める、たったいま通ってきた八島湿原からの道が綺麗に眺められます。
◇蝶々深山
https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/ptinfo.php?ptid=6978

蝶々深山と呼ばれる稜線上の小突起にて。
背景は長和町方面でゼブラ山と呼ばれる突起。
美ヶ原トレイルランのコースの一部ですね。

車山山頂の展望。頂上の旧気象観測ドームが見えます。

途中から木道となり、白樺湖方面から
登ってくる道と合流します。

 ひとたびやや下ってから、いよいよ車山への登りなります。緩やかな登りではあるものの、今日一番の息が切れる場所です。気持ちよさそうな登山道が通行止めになっていて、ちょっと色気のないザレた作業道を進むことになります。ここ、冬季は車山スキー場ゲレンデの上部になります。散々滑っている道ですが、こうした中斜面の登りが結構辛いんですよね。それでも長い区間ではなく車山山頂の一角に出ました。ここまで、約70分。最近の運動不足状況においてはまあまあかな?
◇車山 【白樺湖・車山 茅野観光ナビ】
https://navi.chinotabi.jp/shirakabako-kurumayama/
◇車山高原トレッキングコース
https://www.venus-line.net/trekking/course03/

車山山頂のお社。
なぜか「一の御柱」が建てられていません。

三か月後にはスキーで来ていることでしょう。
四季を通じて様々な楽しみを
与えてくださることに感謝ですね。

 山頂にはお社があって、諏訪地方のお社の例に違わず四囲に御柱が建っています。それなのになぜか「一の御柱」が建っていません。建てるための穴は用意されているのですが、どうしちゃったんだろう?
 展望テラスが設置されていて、何組かのトレッカーがお昼を食べていました。
 三か月後にはスキーで来ることになるでしょう。四季を通して楽しみを提供してくれることに感謝ですね。

山頂からの展望。こちらは白樺湖蓼科山方面。

たったいま走ってきたコースが一望できます。

 これまた下りやすい道をひと走りで、広い駐車場がある車山肩に到着。ここには「コロボックルヒュッテ」という古風な佇まいを残した山小屋があって、ツーリングの時など稀に寄ることがあります。今日も慌てるトレランではない(?) 〔→最近は厳しいタイム設定を課したり走破タイムに厳格であったり…なんてことはなくなってしまいましたねえ…〕ので、珈琲でもいただいていこうかなあ、と思いましたが、「水曜定休」との表示が…残念でした。
◇コロボックルヒュッテ
https://koro-kirigamine.hardrain.rocks/index.html

 小さな起伏の草原を適度なペースで走っていくと、やがて灌木帯に入っていき、沢渡へと至ります。地名の通り沢を渡る場所があります。ここにはヒュッテがあります。左に向かうとビーナスラインの自動車道に出ます。直進気味に起伏を越して八島湿原へと向かいます。樹林から草原、林道をしばらく進んで左へ折れてわずかに行くと「御射山史跡」があり、そのすぐ下の林の中に「ヒュッテ御射山」が建っています。

旧御射山遺跡を示す石柱です。

ヒュッテみさやまの近くには
小さな清流が静かに流れています。

 この一帯は「旧御射山史跡」と呼ばれています。平安時代から鎌倉時代室町時代を経て江戸時代の元禄年間まで続いていたといわれている諏訪大社下社の祭祀場の遺跡なのです。特に鎌倉期などは各地の御家人たちが騎射を競い合ったそうです。周囲は階段状の地形になっているのですが、これはその当時の桟敷の跡です。この場で鎌倉武士たちが馬術流鏑馬の技を競い合ったということを思うとなんとも感慨深い思いにとらわれます。
◇本御射山神社
http://www.komainu.org/nagano/suwasi/MotoMisayama/motomisa.html
◇ヒュッテみさやま
https://nature2.jp/kinoa/misayama.html

 ここから左回りで八島湿原を戻れば近いのですが、もう少し距離を走りたいと思い右手へと向かい、往路で通った奥霧キャンプ場跡に出て八島湿原を右回りで戻るルートにしました。

復路は左手に八島湿原を見ながらフィニッシュへ。

駐車場着  13時20分
約2時間45分の午前中exerciseでした。

菅平周辺の散歩のつもりが… 草津、白根山から渋峠、志賀高原 長野市内二輪用品店でインカム新調  またまた道に迷った??

9月25日(日)
 先週末から暑さもずいぶんと収まり、過ごしやすい気候になってきました。朝方、広く空を覆っていた雲も姿を消し、気持ちよい日射しがカーポート下のバイクを照らし出しています。
 こうなってくるともうダメですね。
 最近は混雑が予想されるツーリングスポットには、土日祝以外の日に出かけることにしているのですが、久しぶりに三連休最終日の日曜日に出かけることにしました。
 前もって計画していたわけでもなく、家内とゆっくり朝食をいただいてから9時に出発。さすがに自宅至近のビーナスラインは混雑していること確実なので、和田峠を越えて菅平あたりの知る人ぞ知る林道で少々楽しんでから、長野市のライコランド(注1)でインカムを新調しようと思って出かけました。
◇(注1)ライコランド
https://www.facebook.com/ricorandnagano/

 新和田峠トンネルが無料化されて半年。長和町側料金所の撤去工事もほぼ終了したようです。ここの無料化は本当にありがたいと思います。料金もさることながら、ETC不対応でsmoothな通過ができない道路でした。

 長和町、旧丸子町(現上田市)を通過して国道18号線を跨いで旧真田町(こちらも現上田市)を菅平方面へと進みます。東信(筆者注・長野県を北信・中信・東信・南信と4つの地域に区分して呼ぶことがあります。東信は上田・小諸・佐久・軽井沢等の地域)の山々を望みながらの快走ロードです。
 やがて菅平方面と鳥居峠経由群馬県嬬恋村方面への道との分岐点に至りました。ツーリングばかりでなく菅平スキー場に行くときも、毎年何度も通ったこともある道なのですが、「あれれ…道に迷っちゃった!」ということで鳥居峠への道に入ってしまいました。ここも気持ちよい道ですが、鳥居峠へはすぐに着いてしまいます。
 鳥居峠は長野県と群馬県の境界となっています。上信越道が全通する前は結構な幹線道路でしたが、近年では通行量も減っています。峠にあった茶店・土産物店も閉店してしまいました。峠からは四阿山への登山道が付けられています。私もかなり前ですが、ZZ-R1100でツーリング兼登山でここから出発しました。リアキヤリアに登山靴を括り付けた妙ちくりんなZZ-R1100でした。
鳥居峠から四阿山
http://www.japanesealps.net/others/azumayasan/toriitouge.html

 高原野菜畑が広がる嬬恋村を通過します。広大な斜面に広がる野菜畑は、一部ですが北海道の景色を彷彿させるものがあります。浅間山の景観も見事です。
 吾妻川の渓谷沿いに快走し、万座鹿沢口から万座・草津方面への道へと向かいます。万座ハイウェイは一昨年、前車の空冷1200GSで走ったばかりで有料でもあるので、今回は途中から草津温泉への県道59号線を経由して行くことにします。また、国道292号志賀草津道路)は火山性ガス噴出のためにオートバイ(ほかに自転車、なんとオープンカーも!)通行禁止の時があるのですが、今年は春から通行可という情報はつかんでいたので、こちらから志賀高原に回りたいと思います。

2020年9月28日 万座ハイウエーから志賀高原
この時は草津志賀道路は二輪通行禁止でした。
タンクがでっかくなっちゃう前の
空冷OHCのSPECIAL EDITIONのR1200GSです。

同日は万座峠から中野でなく須坂方面に降りました。こちらの道はメインルートから外れていて交通量少なく走りやすいです。

県道は交通量も少なく、木漏れ日差し込む林間のワインディングです。メインルートではありませんが楽しめる道です。
 やがて長野原から登ってくる国道292号線メインルートに合流。二車線でたくさんの車が登っていきます。合流点からわずかに走るとけっこうな規模のある「道の駅 草津運動茶屋公園」に到着します。ここで今回初めての水分補給とお手洗タイム。最近、土日祝以外のツーリングをメインとしているので、駐輪場で多くのバイクと一緒になることが少なかったのですが、バイク愛好家さんと同じ空間にあるということはいいですね。

土日祝のツーリングは久しぶり。
混雑は嫌だけど、バイク乗りの方と
同じ空間にいるということも、やはりいいものですよね。

 展望台があったので登ってみました。長野県側、群馬県側それぞれの景色を堪能。群馬県側をみていると…「榛名山に行って『お豆腐屋さん』と走るか!」などとタワケタ考えが頭に浮かびます。

道の駅の展望塔からの景色 こちらは長野県側

こちらは群馬県側。
渋川、榛名山まで行ってお豆腐屋さんと走るか!

国道292号志賀草津道路)の開通について
https://www.town.kusatsu.gunma.jp/www/contents/1619134500744/index.html
草津白根山(湯釜付近)規制について
https://www.town.kusatsu.gunma.jp/www/contents/1653640463510/index.html
◇道の駅 草津運動茶屋公園
https://www.dan-b.com/michi_kusatsu/top.html
頭文字D ロケ地ガイド
http://loca.ash.jp/show/1998/s1998_initiald.htm

 その後、少々混雑した草津温泉近辺の通りを抜けて、いよいよ白根山への山岳ワインディングに入ります。こちらから登る車は思いのほか少なく、適当にパスしながら高度を上げていきます。一昨年、昨年はずっと二輪車通行禁止でしたから、久しぶりの草津志賀道路です。
 標高を上げるにつれて木々がいい感じに色づいてきました。荒々しいというか荒涼とした感じの火山性ガスを噴出する山肌が迫ってきます。抜けるような青空とのコントラストが絶妙です。この道は火山性ガス噴出による中毒被害を防ぐため、路上での駐停車厳禁です。撮影したいなあ、と思うスポットは其処ここにあれど、指定された駐車場の利用をします。
 私も途中で撮影タイム。荒れた山肌に、たった一本、誇らしげに枝広げているナナカマドがきれいな赤い実を付けていました。

さわやかな青空が広がりました。荒々しい山肌との対比が見事です。

 白根山お釜展望ができる周辺の駐車場には結構な人出がありました。
 国道最高地点の碑が建てられている駐車場を通過して渋峠へと出ます。今年は、まだ道路に雪がうず高く積まれている頃、島根からお越しのお二人の方と来ました。いつもながらここは混雑しています。今日はスルーです。

今年の5月5日の国道最高地点にて。
島根県から東北地方一周ツーリング帰途のお二人に合流。
志賀高原をご案内しました。

◇日本国道最高地点
https://www.travel.co.jp/guide/article/44390/

 渋峠…。だいたい毎年スキーの滑り納めで来るところ。5月下旬(年によっては6月アタマまで)までは滑走可能(まあ午後は雪がベタベタでダメですけどね)です。ここを過ぎると長野県に入ります。あれれ、もう帰ってきましたね…の感覚です。

遠景ですが北アルプスの山並みです。

走ってきた方角の山並みです。

 そういえば志賀高原は10日前に来たばっかりでした。
https://gs1250suguru.hatenablog.jp/entry/2022/09/14/220000

 もうここはビーナスラインと並んで地元感覚です。
 思いのほか空いている道を快適に下り中野市街に入ります。そういえば前回の帰りにこの中野市出光で給油しましたが、今回のツーリングを経ても余裕で自宅まで帰れます。GS-Aの30ℓのタンクは本当にありがたいですね。
 中野ICから更埴ICへとひと走り。高速は結構な数の車が走っていました。三連休の最終日ですからね。
 更埴ICで一般道に出て、ライコランド長野へ向かいます。菅平でちょっと走り、長野に下ってこちらの店舗に寄る…という予定が少々遠回りになりました。
 ライコランドではインカムを新調しました。なんでも半導体不足から品薄になっているようで、陳列棚にも製品がなく「発注中」の表示が並んでいました。ラッキーなことに私が購入するつもりだった製品SENA50S(https://senabluetooth.jp/50s/)は一つだけ在庫がありました。そして、ありがたいことに「マイク・スピーカー装着サービス」(有料)があるとのこと。これはお願いするしかありません。お若い女性店員の方が丁寧に我がヘルメットに装着してくれました。我がヘルメット……内装を洗ったばかりでよかった!
 AraiやSHOEIのようなメジャーなヘルメットでないので(BMW純正ヘルメット)それなりに時間がかかりましたが、無事しっかりと装着されました。お店の方は「時間がかかり申し訳ありません」と恐縮されていましたが…。「いえいえ、自分でやったら2、3時間かかると思います(それも上手につけられないかもしれない)ので、まったく問題ありません。ありがとうございます!」と思いました。
 再び更埴ICに戻り、岡谷ICまでひと走り。自宅着15時30分頃でした。
 まだ、日が高く軽く洗車することもできました。

 岡谷ICから自宅に向かう道を間違えて、ビーナスラインに向かうことはありませんでした。

本日の走行ルートです。
半日でこれだけ楽しめますから、
やはり長野県はいいなあ!

 

志賀高原道路(朝練?) 奥志賀林道・雑魚川林道から秋山郷   十日町経由南魚沼市 鈴木牧之記念館

◇自宅発〔5時15分〕
 早朝ゆえ静かに静かに自宅を出発。岡谷インターから長野自動車道を中野インターまではあっという間、中野市内の走行もまだ出勤時間混雑の前なので快適なものでした。      

 湯田中温泉街を左手に見ながら志賀高原への道へと入ります。スキー、トレラン、登山、そしてツーリングと様々な場面で親しもを与えてくれる志賀高原道路です。自宅から至近(アクセス時間約15分)のhomeロードのビーナスラインはもちろん最高ですが、志賀高原道路も本当に素晴らしい道です。様々なバリエーション(舗装路・ダートの選択、継続して走れる道の選択、植生の変化等々)においては、ビーナスラインよりも幅と懐が深いように感じています。
 そんなことを思っているうちに志賀高原のまだまだ入り口の琵琶池、丸池に到着しました。〔6時45分〕
 ここまで自宅から1時間半ほどです。ひっそりと静かな丸池のほとりで一服。

志賀高原のまだ入り口に位置する丸池。木々の間から朝日が眩しく降り注ぎます。ひっそりと静まり返った志賀丸池の朝です。

 この日は、まだ夏の名残が濃く感じられる陽気でしたが、早朝の志賀高原はさすがに肌寒さも感じられました。横手山経由草津への道と分かれて、焼額・奥志賀方面に向かいます。先日(8月3日)トレラン練習で岩菅山稜線を走った時以来の訪問です。あの日もひっそりとしていましたが、一ノ瀬スキー場あたりも本日も実に静かなものでした。スキーシーズンには賑わうのですがね。しかし、それも一時の喧騒を思うと、最近は静かなものだと感じます。
 じきに奥志賀高原スキー場の駐車場に到着。〔7時10分〕

お気に入りのゲレンデ・奥志賀高原スキー場の駐車場にて。
左手の山並みは先日トレラン練習で走った岩菅山の稜線

 ここは志賀高原にあまたあるスキー場の中でもお気に入りのゲレンデです。少々奥まったところにあるのですが、雪質、景観、落ち着いた客層など秀逸なお勧めゲレンデです。先日トレランした岩菅山方面の景色が朝日の中に美しく浮かび上がっていました。
 
◇奥志賀高原TOP【公式】

 志賀高原の一番奥に存在するスノーリゾート
 http://www.okushiga.jp/

 この先をしばらく進むと、奥志賀林道入口のゲートがあります。林道とは名ばかりで、立派な舗装がされていますので、狭路であることと対向車に気を配れば、ロードモデルでもタイヤでも問題ありません。私もかつてはVF750 でもZZ-R1100でも何度も通っています。まあ、VFの頃はまだ一部ダートでしたけれど…。
 木漏れ日の温かい林間の道を堪能しながら進んでいきます。地元の方の軽トラのほかには誰も行き会うこともありませんでした。
 
◇奥志賀林道
https://www.bikejin.jp/column/touring-15369/
◇最新・村内の道路情報について - 長野県 栄村
http://www.vill.sakae.nagano.jp/docs/964.html
◇アクセス交通情報 【公式】栄村秋山郷観光協会
http://sakae-akiyamago.com/access/

 奥志賀林道は途中で、木島平村野沢温泉方面への道と栄村方面への道への道と分岐します。木島平・野沢温泉方面への道も楽しめる道です。本日は栄村方面へ向かいます。ここらあたりから、林道は「雑魚側林道」と呼ばれる道となります。こちらも立派な舗装林道です。
 谷沿いに走っていた道も段々に高度を上げていきます。やがて右手の谷ははるか下となり、行くて右手奥に栄村方面を見下ろすような場所も通過していきます。

屈曲した林道の途中から秋山郷方面を見晴るかすことができます。

 やがて林道は鳥甲山登山口(ムジナ平登山口)に至ります。〔7時50分〕
ここには2台の車が駐車してありました。

◇鳥甲山 【Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A5%E7%94%B2%E5%B1%B1

鳥甲山登山口です。車が2台駐車していました。

 登山者があるのでしょう。実は、私も今から38年前の丁度今頃、一人で日帰り登山をしたことがあります。その頃暮らしていた長野市の住宅から、高速道がまだない時代でしたので、北国街道に車を走らせて、飯山、津南経由で秋山郷に入りました。和山温泉の宿に駐車させていただいて、中津川に張られたワイヤーの「籠渡し」で対岸に渡ってこの登山口に来ました。結構な急登ではありましたが、登り自体はその頃は何でもありませんでした。しかし…調子に乗っていたのですね。下山で大失敗をしてしまったのです。かつてこの山には赤嵓沢の右手(山頂から見て)の尾根に登路がつけられていたようなのですが、そこを下山するつもりでかすかな踏み跡をたどっていくうちにねどういうことか沢を下っていく状況になってしまいました。「知らない沢を下る」ということは、犯してはならない鉄則のひとつです。過去のいくつもの事例を学び、自分もそのことは承知していました。しかし、その頃の自分は「大抵のところは下れる」という自信がありました。確かに様々な場面に対応して対処してきた経験はありました。しかし、それはザイルやピッケルなどの装備をしっかりと所持している時のことです。この日はそれらの装備など一切ないばかりか、運動靴に短パン、丁度今どきのトレラン如きのいでたちでした。最初は穏やかでどんどん下れると思った沢でしたが、小さな枯れ滝が現れ、それを下ってしまうと、次には大きな枯れ滝が姿を見せました。ある程度下ってしまうともう登り返すことが困難になります。何とか下りきってしばらく行くと、行く手には空間しか見えず、立ち止まって下を覗くとすっぱりと切れ落ちた岩壁が目に飛び込んできました。絶望的な景色でしたが、それでもじっくりと目を凝らすと、可能性のあるラインが見えてきました。進退窮まっていましたが、ここは乾坤一擲とこれまでの経験を総動員してこの岩壁を下りきりました。しかし、その後には今度は傾斜の強い不安定な雪渓が現れました。この標高でこの時期によく雪渓が残っているものだ…なんてことを思っていたことを思い出しますが、それどころではありません。登山靴を履いていてピッケルを持ってさえいれば、その頃の自分には何てこともなかったのですが、運動靴に短パンです。運動靴ではキックステップができませんし、滑落したら止める術はありません。それでも行くしかなく、拾った木や石を使って慎重に下りきりました。その後も危なげな滝が数個出てきましたが、なんとかやり過ごしてようやく堰堤に出ました。その時の生き延びたという安堵感と強烈な反省の念…。今も時々思い返して戒めとしています。

正面の沢が、進退窮まりかけながら、
命からがらなんとか下降した現場です。

 そこからわずかに進むと、秋山郷最奥の切明を経由して和山等の集落へと続く道(こちらがメインルート)を右手に分けます。多くの場合そちらを通るのですが、今日は左手へ向かい、先ほど申し上げた大反省登山の時に命からがら下ってきた沢の出合を見ていこうと思います。

 さらに暫く進むと、はるか下の中津川渓谷を隔てて、対岸に大きく苗場山を望む小広い場所に出ます。小赤沢の集落からの登山ルートがあります。結構な上部まで車でアクセスできるルートのようで、100名山狙いの登山客には人気ルートだと聞いています。

苗場山方面の景観です。今日は裏側の新潟県側からも見上げることになります。

中津川の深い谷とのコントラストが見事な苗場山の眺めです

 今回の道は旧鳥甲牧場の脇を通るルートです。いくつかの道が錯綜していて、取り違うと面倒なことになります。GS-Aで下りのUターン不可なシングルトラックで行き止まりだったら「詰み」だと思います。軽量なオフロードバイクであれば、サイドスタンドターンという奥の手がありますが、GS-Aのサイドスタンドはそれが可能なのでしょうか? 誰かやったことある人いたら教えてください。

 

 下るに従い、段々に人家も見えてきました。立派な道も現れ、眼下に信濃川のゆったりとした流れと稲穂の色づいた広大な田の景観が目の前に広がりました。〔9時10分〕

信濃川千曲川も県境を越すと名称が信濃川になります)の
ゆったりした流れと
色づいた稲穂の揺れる田が広がる津南方面の景観

 国道117号線に出て津南・十日町方面に向かいます。その後は魚沼の方へと向かい、北越雪譜の作者として知られる「鈴木牧之記念館」を訪ねようと思っていました。そして、その付近に整備されている「牧之通り」にも訪ねてみたいと思っていました。
こちらの道も何度も走っています。最短は十二峠を越えていくものですが、本日は別の峠越ルートを選択しました。こちらも民家の点在する中に伸びている快走ルートです。
 さて、もうひとつの目的地として、自分のフェイスブックに「知り合いかも」に頻繁に登場してくる「しあわせ食堂 つばめの巣」という和洋食堂を訪ねることもありました。名称もユニークですし、子ども食堂に関する取組みなどをされているなど、地域への貢献にも関心を持つオーナーさんなのかなとの関心もありました。
 峠越えでもなんでもGS-Aはいつでも快走してくれますので、お昼の時間までには余裕が有り過ぎてしまいました。お目当ての食堂のお昼の営業開始は11時30分から。早くに着きすぎました。仕方なく湯沢の方まで行ってみたり、近くの道の駅で水分補給をして休憩がてら、近隣の情報を集めたりして時間を調整しました。
◇「南魚沼 雪あかり」
https://niigata-kankou.or.jp/spot/10233

 さて、時間も丁度良くなりました。お目当ての「しあわせ食堂 つばめの巣」さんに向かいましょう。開店前10分くらいに到着。10台程度駐車できる駐車場の一番奥にGS-Aを停めて暫く待ちます。まだほかのお客さんはありませんでしたが、やがて2台ほど車がやってきて私と同じく開店を待ちました。時間とともに女将さんが「おまたせしました。どうぞ!」と声をかけてくれて、カウンター席に案内されました。

国道に面したところにありますが、看板も幟旗も控えめなので、
初見では見落としてしまうかもしれません。

 メニューを拝見すると力を入れているのが越後牛を使った肉料理である様子。ステーキやハンバーグ、ビーフシチューなど美味しそうな料理がラインアップされています。さて、私のオーダーですが、最近は肉料理の重いのは胃への負担が少々大きいのです。スキーの昼食の定番中の定番であるカツカレーが重くなってきていることを感じる昨今。そんなわけで、この日は「越後牛と3種の肉のよくばり丼」という一品です。かなりのボリュームがあるものだったのですが、肉の部位といい味付けといい、重さを感じさせない一品でした。素直に美味しかったです。肉も地元越後牛ということと同様、添えられていた野菜類も地元産でしょう。そして、なんといっても白飯の美味しいこと。これは間違いなく正真正銘「魚沼産コシヒカリ」です。大当たりの昼食でした。〔11時30分~12時頃〕

越後牛と3種の肉のよくばり丼。
このボリュームとクオリティで税込み1512円。おススメです。

◇「しあわせ食堂 つばめの巣」
 https://snack-bar-3804.business.site/

 

 食後、「鈴木牧之記念館」の場所を尋ねたところ、お店にいた常連さんと思われるお客さんがたいへん丁寧に説明してくださいました。すぐ近くにあるようです。
お礼を述べてお店を後にしました。店舗前の国道を右折して数キロ、教えていただいた通りに進んでいくと「牧之通り」の看板がありました。案内に従って進むと、とてもゆったりした道幅の左右には、雁木のある古風な日本家屋の店舗の並ぶ、大変に風情ある街並みでした。建物はまだ比較的新しいものが多く、昔ながらの建物という訳ではありませんが、とても落ち着きと風格ある印象を受けました。これは雪の季節にも訪れてみたいですね。バイクでは無理でしょうが。
〔12時15分〕

 

雁木のある情緒豊かな街並みが続いています。
雪の季節に再訪したいなあ。バイクでは無理ですが。

◇牧之通り 【牧之通り - 塩沢商工会】
https://shiozawasho.jp/kankoutokusan/bokushidouri/

 続いてはお目当ての「鈴木牧之記念館」を訪ねました。「北越雪譜」という雪国の暮らしを紹介し、江戸でベストセラーになったという作品の作者として知られます。「秋山紀行」という秋山郷の生活を紹介した作品も遺していて、私もすこしばかりですが関心を持っていた人物です。雪国の暮らし、民間伝承されてきた地方独特のしきたりや風習や言い伝え、奇聞や怪談話など、市井の人々の生々しい暮らしの様子が息づく記述は、現代の私たちの暮らしに流れていることを感じることも多々あり、興味関心を引き付けるものがあると思います。この日、数人の来訪者がありましたが、それでも静かなもので、ゆっくりと鑑賞することができました。それにしても、若い時に思い立ってから、実際に出版されるまでに40年の年月を要するということでした。その時代においては、一般市井の民衆が何事かを発信していくことが、いかに困難なことであったのかということを思います。現代は誰もが、いつでもどこでも、世界に向けて様々なことを発信できるのですから。このようなどうでもよいツーリング日記も、誰が目にしてくれるかどうかは知らぬところですが、好き放題発信できることを思えば、テクノロジーの発達に感謝したいと思うばかりです。
〔12時30分~13時30分頃〕

地元の皆さんに大切にされていることが伝わります。
ゆっくり寛いで鑑賞することができました。

◇鈴木牧之記念館
 http://www.6bun.jp/bokushi/

 記念館をゆっくりと鑑賞して、同館発行の「北越雪譜」と「秋山紀行」の冊子を購入しました。同館が地域の人々に大切にされていることも、よく伝わってきました。
 さて、帰途に就くことといたしましょう。塩沢石打から関越道南下経由にするか、北上して長岡から北陸道経由にするか、再度志賀高原に出るか等々様々なルートが頭に浮かびました。まあ、GS-Aですと距離は全く問題ないのですが、時間と費用については多少考慮すべきところでもあります。そんなわけで、早めに帰宅して軽く洗車もして締めくくりたいとの思いから、津南経由で飯山に出て、そこから長野自動車道で一気に帰宅することにいたしました。

 十二峠を越えると「清津峡」という景勝地の入り口を通ります。今回は立ち寄りませんが、ここもおススメの場所です。本日は見送って十日町を経て津南町に出ます。国道117号を西走し、新潟県から長野県に入ります。栄村を通過して飯山市へ。ここで「給油してね」のアラームが点灯。GS-Aの巨大タンクをもってすれば自宅までぎり持つか…と思っていましたが、ガス欠も嫌だし、エコ運転厳守もできっこないし…。出光のスタンドが見当たらないので、飯山インターからの長野道をあきらめて中野市の出光で給油。給油量は24リットル。うーん残が5リットル程度だったか…。強行していたら高速上でガス欠だったかな。

 その後、往路と同じく中野インターから長野自動車道へ。ここに入ればもうあっという間。姨捨SAで水分補給とお手洗いタイムを取りました。

 岡谷自宅到着16時15分頃。一服ののち洗車してGS-Aの頑張りを労い、本日のツーリングを無事終了しました。

 本日の走行距離 431Kmでした。

BMWコネクテッドによる走行ログの一画面。
走行時間と距離。左右のバンク角まで出てきます。
右バンクの67度というのは…。ダートで遊んでフルカウンター当てた時のものだな。


◇中野出光給油 24ℓ 14時50分