阿蘇くじゅう やまなみハイウェイ 瀬戸内 しまなみ海道 九州・四国への旅 三日目
11月10日(木)
昨晩は、FさんKさんと一緒に、ホテル近くの居酒屋で一献傾け、心地良く就寝することができました。
ところがその夜…。午前3時半頃(登山ではもちろんツーリングでもこうした時間に起床することあるんです…)に目が覚めてお手洗いにいると、突然照明が消えました。どうしたのかな、と思い電灯スイッチやその他を確認しても点灯しません。「停電か?」と思い廊下を覗くと、非常灯は点灯している様子です。近隣が停電なのではと思い窓を開けると、特に変わった様子はありません。どうやらこのホテルだけの停電の様子です。
インターホンでフロントに連絡をとろうとしましたが、電源が喪失しているようで無音状態。携帯で電話を試みましたがこれもだめ。仕方なく9階の部屋から、当然エレベーターも使えませんので歩いて降りました。フロントも当然真っ暗なままです。当直のスタッフは誰かいないのかと思い、通常の声でフロントに声を掛けました。誰も出てきません。次に少し大きな声で…。まだ返答はありません。少々キレ気味に少々品のない言葉を大声量で…。ようやく若いスタッフが一人寝ぼけたように出てきました。
状況を話すと、その時点でようやくホテル全体が「停電」していることに気づいた様子で、その後もなにやらあたふたしているばかりで…。このホテルは危機管理という面で大丈夫か? と思わざるを得ない状況でした。各室の宿泊客にも連絡ができないありさまで…。
停電の時の対応マニュアルとかあるんでしょうか?
非常事態に宿泊客を安全に誘導することができるんでしょうか?
こうした事態の時にどんな対応ができるホテルであるか…。ということを思うと、価格相応は承知しておかないといけませんね。それなりの価格を支払って安心を買うか、自己責任を承知して格安に利用するか、ということかもしれません。
まあ、そんなこともありましたが、日が昇って周囲が明るくなりだした頃、3人で熊本城へと散歩に出かけました。市街中心を感じさせる立派な建物が並ぶその奥に、熊本城の天守閣を望むことができます。加藤清正公の立派な像、一直線に伸びる見事な石垣、黒塀の奥の見事な枝ぶりの木々…。お城のスケール感の大きさには感嘆するばかりです。開門時間はまだかなり後なので入城はあきらめて宿に戻りました。
ようやく停電から復旧した様子です。朝食は提供できないため、お弁当対応ということでサンドイッチを頂きました。
8時半に出発ということで、自室に戻り支度を整えて玄関に集合。FさんKさんは明日からお仕事なので、錦帯橋を見学して今日中に帰宅するということ。私はもう少し九州を楽しみたいと思い、天草から鹿児島へと足を延ばすことにしました。
FさんKさん、本当にありがとうございました!
ご帰宅まで気を付けてご走行ください!
通勤ラッシュと重なる時間でしたが、さほど困惑することなく、天草方面への道を進みます。途中、今回ツーリング2回目の給油〔セルフ本山 25ℓ〕
国道3号線を南下して宇土市に入り、国道57号線との交差点を右折して天草方面へ。
現役なのかしら?と思う線路状況のJR三角線に沿ってしばし西走。やがて海沿いの気持ちよい道となりました。静かな有明海を隔てて島原半島の雲仙普賢岳を間近に眺めながらの快走ルートです。
海風を感じながら快適に走り、やがて三角港に至りました。
岬に囲まれた静かな港湾です。美しい石畳の向こうには、天草の島々を結ぶ白い大きな橋が架かっています。
三角西港は世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のひとつになっています。建設には国費が投じられ、宮城県・野蒜築港、福井県・三国港とともに明治の三大築港と呼ばれているそうです。
こじんまりした佇まいですが、港を取り囲むように、味わい深い洋風建築の建物が美しい姿でたたずんでいます。
◇浦島屋 明治中頃に存在していた旅館。木造2階建ての洋館。西港のメイン。1893年(明治26年)に小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が滞在し「夏の日の夢」という紀行文を残した。港湾環境整備事業により1992年(平成4年)に建物の一部が復元され、休憩所・カフェ・展示場などとして活用されている。
◇龍驤館 明治天皇の即位50周年を記念して宇土郡教育会が建てた木造平屋建ての洋館。現在はイベントや展示場として使われている。
◇三角築港記念館 荷役倉庫として使われていた土蔵造りの建物。1999年(平成11年)に洋風レストランとして改装された。
◇旧高田回漕店 旅客・貨物輸送の取次をした廻船問屋。築港当時の面影を残す港湾施設として1999年(平成11年)に修復された。
◇ムルドルハウス 洋風の物産館。伝統工芸品や海産物などの特産品を販売している。なお、ムルドルは三角港を設計したお雇い外国人技師の名前である。
世界遺産「三角(みすみ)西港」の観光ガイド!日本で唯一完存する明治期の港湾施設 – skyticket 観光ガイド
ここでは、スーパーカブ125でお散歩中のお二人の九州ライダーと暫し話しました。なんでもGSにも乗っているということで話が弾みました。翌日の11日に某イベントがあるので来ませんかとのお誘いを頂きました。鈴木忠雄(ちゅーさん)さん〔※昭和のライダーでないと知らないかも…。〕がゲスト参加するイベントを進めている方なのでした。場所はとお聞きすると「瀬の本レストハウス」とのこと。あれれ…昨日待ち合わせた場所だ!
折角のお誘いですが、今回はご遠慮申し上げることにしましょう。
お二人と分かれて先に進みます。天草パールラインを快走。このあたりから、かなり暑さを感じるようになりました。信州人には暖かすぎる日差しです。進んでいく街道には、何か所か「天草四郎」の記念館や資料館がありました。興味あるのですが、今回はスルーさせていただきます。
「道の駅 上天草さんぱーる」にて一服〔10:45-11:00〕
発送できる特産品はないものかと見まわしましたが見当たりませんでした。駐車場の写真はご覧の通り、長野県には見られない南国の樹木が…。ラリースーツだと暑い! メッシュ夏ジャケットを持ってくればよかった!
熊本県 道の駅 上天草さんぱーる (sunpearl.jp)
その後も天草パールラインを進み、天草五橋とその展望を味わうことができました。
天草五橋 | 観光地 | 【公式】熊本県観光サイト もっと、もーっと!くまもっと。 (kumamoto.guide)
最後の前島橋を渡り終わった後、松島有料道路を通らず山の中の道を行くことになりました。少々うろうろしたようですが、再び海沿いの道に出て、「道の駅・有明」で一服。ここで水分補給とたこ焼きを頂きました。〔道の駅・有明 11:40-12:00〕
道の駅 有明 | 九州の道の駅へようこそ (mlit.go.jp)
その後、鹿児島へ渡るフェリーに乗るべく牛深港を目指します。暑さにボケたのでしょうか天草市街中心地で少々迷いました。それでも山の中につけられた県道266号線を進み、「かかしの里」という妙な道の駅を右手に見て進みました。この辺りは植生こそ違いますが、信州の山村景色と似たような山中の道です。
再び、海の香りがしてくると「牛深港」も間近です。「フェリー乗り場」の案内に従って港湾桟橋の指定場所にGS-Aを進めました。待機場所には既に一台のアメリカンバイクが停まっています。〔牛深港13:50 〕
三和フェリー - 熊本県の天草と鹿児島県の長島を結ぶフェリー (ezax.co.jp)
航行距離も短く、小さなフェリーですが、それだけに心躍るものもあります。14:00の便に乗船しましたがバイクは2台だけ。車も少なくローカル色豊かな味わいがありました。
30分ばかりの乗船。運賃はGS-Aの大きさのバイクで人間込み1,630円也。
鹿児島県「蔵の元港」に到着。滞りなく下船し鹿児島市へと向かいます。しばらく海沿いを走った後は内陸の道路を進みます。途中から自動車道に入り、薩摩川内市を通り越し鹿児島市へ。鹿児島で自動車道を降りて市内を走行。桜島の景観を楽しもうと思い城山展望台を目指します。結構な複雑な上り坂でした。この頃丁度曇り空が厚くなって青空は影を潜めてしまったのですが、夕景近づく桜島を間近に眺めることができました。
そろそろ日が暮れてきました。今宵の宿を…と思い宿泊予約サイトで検索しますが、鹿児島市内には見当たらないようです。範囲を広げるとお隣の姶良市に適当なプランがヒットしました。ネットで予約しナビにもセット。夕闇に暮れていく鹿児島市内から姶良市のホテルへと向かいました。