人に優しく 働きやすい職場
事例紹介
① 企業理念「いい会社をつくろう」
➁ 「つながり」「やさしさ」「わざ」
➂ 得意を伸ばす 多様な人材を生かす
本県下伊那郡Т町に、地域から頼られ、雇用の受け皿として大きな役割を果たしているK精工という会社があります。
http://www.neri.or.jp/www/contents/1603344971191/index.html
地域の養護学校の卒業生の就労先としての相談も多く、障がい者6名(2020年)を雇用しています。「多様な人材を生かしている」ことが評価され、経済産業省「新ダイバーシティ経営企業」にも選定されています。
新・ダイバーシティ経営企業100選 (meti.go.jp)
企業理念にある「いい会社」とは、
「どんな人にもいい会社であり、障がい者にとってもそれは例外ではない」
ということです。この理念は、会長であるH氏の経営理念そのものです。
この企業理念を実現するために、具体的なメッセージとして、「つながり」「やさしさ」「わざ」という3つの言葉が添えられました。
同社の障がい者雇用は、養護学校から依頼され、自閉症を持つ方を雇用したことが最初ということです。
当初、コミュニケーションをとることが難しかったのですが、仕事ぶりは真面目で、同じペースで乱れず作業を進めていたそうです。
「一人の作業が得意ならば、それを伸ばせばいい」
という方針で成長を支援していきました。その結果、仕事に自信をもち、今では積極的に同僚とも話をしているとのことです。
「じっくりと育てることで、強みを引き出せばいい」
社長は実体験からこのように語っています。
1 「障がいも個性のひとつ」「多様性の組み合わせこそが経営」
障がいのある方が他と変わらない働きができるのは、「多様性の組み合わせ」を進めていることによります。中途採用した人を含め、得意な部分は誰もが様々です。こうした人材ひとりひとりの「強み」を見出し、組み合わせて仕事に取り組むようにしているといいます。個人の強みを引出し、他のメンバーと組み合わせることで、発揮できる力を高めてきました。それが会社成長の秘訣であるとも言います。
この会社が管理職に求める能力で一番大事と考えるのは「コーディネート力」ということです。
2 基本にある従業員の「やさしさ」
上記のような「各人の強みを見つけ出して組み合わせ、成果を出していく」という地道な努力は、管理職だけでなく、多くの従業員が受入れ・納得していなければ進めることはできません。同社の従業員は基本的に皆が優しいと言われます。同社の風土が社員を優しくしているのです。障がいの程度種類の異なる障がいを持つ社員に、教え方を変えたり工夫したりしながら、根気強く教え続けていく姿があると言います。そして、そうした社風ゆえに、優しい心の人間が採用に応募してくるという好循環が生まれています。
「誰もが働きやすく、社員の「強み」が引き出され伸びていく職場」
= 障がい者雇用が生み出した成果
「担当業務を本人の秀でている分野に特化し、適切な指示をすれば、よい成果がでると考えています。」