GS1250ADV SUGURU’s DIARY

還暦超のアルピニスト・バイク乗りの極めて平凡な日常

阿蘇くじゅう やまなみハイウェイ  瀬戸内 しまなみ海道   九州・四国への旅  五日目・最終日

11月12日(土)

 前夜は松山市街に出て夕食にしたのですが、それ以上に徘徊や深酒をすることもなく、この日の走行距離も考慮して早めに床に就きました。そんな健全な晩でしたので早朝4時には起床して出発準備を整え、5時には出発することができました。
 この早立ちは何故かと申しますと、「しまなみ海道」の日の出の名所と言われているらしい「来島展望所」で日の出を拝みましょうということのためです。この日の出時刻が6時39分なので、それに間に合わせるための早立ちです。
 

 まだ眠りの中にある松山市街ですが、ナビの助けも受けながら、昨日利用した松山ICから松山自動車道に入り今治市を目指します。走行する車は数えるばかりの中、日の出にはまだ早すぎる時間に現着しました。3台ほど車が停まっていて、人の気配もあります。日の出の名所と言われるだけのことはあるな、と思いました。GS-Aを停め、日の出鑑賞と撮影の準備をして、日の出時刻を待ちます。空模様ですが、悪くはないのですが、やや靄がかかっている状況で、くっきりした日の出は望めないなあと思いました。それでも、普段は山の稜線から昇る日の出しか見ることができない信州人にとって、大きな海から立ち昇る朝日を見ることは喜びでした。来島大橋とその下を航行する船舶の姿をも併せて味わうことができました。
※来島海峡展望館 https://www.city.imabari.ehime.jp/kanko/spot/?a=95

 7時頃展望台を後にして、今治北ICからいよいよ「しまなみ海道」に向かいます。瀬戸内海に架けられた、本州と四国を結ぶ海上の道です。

瀬戸内しまなみ海道は、広島県尾道市愛媛県今治市を結ぶ全長約60kmの自動車専用道路で西瀬戸自動車道生口島道路、大島道路からなります。
この道路は、尾道市一般国道2号バイパス及び今治市一般国道196号バイパスに接続し、瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島の島々を橋で結びます。新尾道大橋以外の各橋には、原動機付き自転車道及び自転車・歩行者専用の道路が整備されていて、眼下に多島美を眺めながらサイクリングも楽しめます。

しまなみ海道 https://www.jb-honshi.co.jp/shimanami/

 行き交う車両も少なく、静かな海の上の綺麗に舗装された橋上道路を緩やかな速度で走行しました。通り過ぎる島々の風景も魅力たっぷりです。時間がとれれば、各島に立ち寄ってそれぞれの景色を味わいたいところですが、本日は先に進みます。
 途中、瀬戸田PAで写真を撮影。

瀬戸田PAからの眺め。立派な橋梁の道路に感動です。

因島大橋の手前の大浜PAで一服し、開店時刻の8時を待って朝食としました。開店と同時に入店しシラス丼を美味しくいただきました。
※大浜PA  https://www.jb-highway.co.jp/sapa/ohama_up.php

大浜PAにて朝食。8時の開店を待ちました。

 本州に至り、西瀬戸尾道で「しまなみ海道」は終了。尾道バイパスを経て福山西インターから山陽自動車道に入りました。
 
 山陽自動車道はさすがに主要幹線道路だけあって、丁度通勤時間帯でもあり、結構な交通量でした。それでも本日も青空と暖かい日射しの中を快適に東進することができました。途中、「給油してね!」の警告画面が出現しました。ガス残量とガススタンドのあるSAまでの距離との関係が微妙でしたので、安全策を取って備前ICで降りてスタンドを探すことにしました。すると何とラッキーなことにICを出てすぐにシェルのスタンドを発見。無事に給油することができました。ここでの時刻 9時40分。
〔シェル備前インター店 26リットル〕※今回4回目

 さて、その後は、一路信州を目指して高速道路を乗り継いでの走行です。赤穂、姫路あたりは車も多くなく快適でしたが、神戸近辺で少々混み合い、京都の手前で結構な渋滞となりました。そこを抜ければあとは快適な道が広がるばかりで大変捗る走行ができました。小牧JCT中央自動車道まで到達すればもう地元。結局、岡山県備前IC」から岐阜県「虎渓山PA」まで一気に走ってしまいました。このあたりがGS-Aの恐るべきところです。
 虎渓山で一服。この辺りまで来ると少しは寒いのかと思いましたが、今日のところは岐阜県、長野県も気温が高めの様子です。
 その後は、勝手知った中央自動車道を一気に岡谷ICまで走りました。時刻は午後3時を回った頃。まだ、洗車する余裕もありそうです。岡山から休憩込みで5時間強の走行でした。
 
 今回の旅も、実に大勢の皆さんのお世話になりました。阿蘇絶景ルートを懇切丁寧にご案内いただいたモトライドツアーズの皆様、今回も一緒に走ってくださったFさん、Kさん。
 フェリー、宿泊施設、道の駅…等々、旅の途中で行き会ったすべての皆様。
 何ひとつ不安を感じさせないGS-Aとその整備をしていただいているモトラッド長野の皆さん。そして、いつも気持ちよく送り出してくれる家族に、心から感謝したいと思います。
 ありがとうございました。

BMW MOTORRADコネクテッドアプリによる
本日の走行距離 713Km

 最終日走行距離 713Km  総走行距離 2070Km 
 補給燃料総計 100.17ℓ

阿蘇くじゅう やまなみハイウェイ  瀬戸内 しまなみ海道   九州・四国への旅  四日目

11月11日(金)

 昨晩は暇に任せて高速道路二輪車割引の手続きを進めました。NEXCO西日本の割引システムについて調べることを面倒に思っていたのですが、結構なメリットがありそうなので手続きを完了しました。
※二輪用ETC限定企画割引 https://www.go-etc.jp/service/freepass/motorcycle.html

 例によって起床時刻が早く、しかし朝食は7時ということだったので、すべて荷物を積み込んでしまってからフル装備で朝食会場に。美味しくいただいてからすぐに出発。今日のうちに「しまなみ海道」を越すかどうか決め兼ねているうちの出発です。
 この辺りの土地勘がまるでないので、高速道路事情がいまいちつかめません。どの経路がいいのか…迷いながらも大分の佐賀関港を目指して北上します。自分のナビはかなり古いもので、最近はちょくちょく道のない空を飛んでいます。

 さて、加治木ICから九州自動車道に入ります。加治木JCTでどこをどう迷ったのか定かでありませんが、東九州自動車道方面に入ってしまいました。そのまま東進して一般道から都城市経由でもよかったのですが、霧島岳を眺めて走りたいと思い引き返すことにしました。
霧島山 https://www.kagoshima-kankou.com/guide/10112

 隼人西ICでターンして再度加治木JCTから九州自動車道を北進することにしました。
 鹿児島空港ICを過ぎたあたりからは交通量も少なくなり、長野県山間地のハイウェイと大きな違いはありません。それでも初めての景色に心はわくわくしながらの走行が楽しめました。クルコンを設定してのんびり走ることができる区間でした。途中、粟野ICと栗野岳という表示を見つけ、椋鳩十作「大造じいさんとガン」に登場する粟野岳であることを思い起こしました。国語授業で何度も扱った作品です。そんな思いも抱きながら、栗野岳のなだらかなながら懐の深い山容にしばし見とれました。
※「大造じいさんとガン」
https://www.mitsumuratosho.co.jp/material/pdf/kyokasyo/kakudai/kokugo/27k_5nen_26P_A4.pdf
※栗野岳 https://www.kagoshima-kankou.com/guide/51915

 えびのJCTからは宮崎自動車道にスイッチして東進。宮崎自動車道は右手に霧島山の美しい山容を見ながらの快走ハイウェイです。霧島SAで一服〔8:30-8:40〕

霧島SA 背景は霧島山

 宮崎自動車道はこの辺りから都城市方面へと南東方向に走っています。大きく弧を描くようなルートですので、自分の進行方向からすると効率的ではないのですが、仕方ありません。時間に余裕があれば一般道で霧島山山麓の道や国道223号線を走りたいですね。またそんな機会を作りたいと思います。
 都城市を通り越し、清武JCT東九州自動車道にスイッチします。ここからは北上。宮崎市日南海岸にも立ち寄りたい思いはありますが、日程の関係で今回はスルーします。
 川南PAで少々長めの休憩〔9:50-10:40〕

川南パーキングエリア。ここでお土産を調達できました。

宮崎県にも立ち寄りたいところがたくさんあるのですが…。
次回だな!

 九州関連のお土産を買い込み、ご当地名物のレモネードで喉を潤します。今日も信州人には暑い陽気です。今回ツーリング3回目の給油〔西日本宇佐美 河南PA 24ℓ〕
※川南パーキングエリア
 https://www.town.kawaminami.miyazaki.jp/soshiki/7/1426.html

 

 自動車道をさらに北上して終点の延岡JCTで一旦一般道?になります。建設中ということなのでしょうか、「延岡道路」の名称で無料区間として提供されています。やがて「東九州自動車道・無料区間」へと継続して進むことができました。
 北川ICと併設の「道の駅・はゆま」で一服。〔11:20-11:40〕

※道の駅・はゆま 
http://www.qsr.mlit.go.jp/n-michi/michi_no_eki/kobetu/kitagawa/kitagawa.html

 ここには焼き芋の自動販売機があり、思わず写真に収めてしまいました。

焼き芋の自販機!

 ここでかなりご年配、大ベテランのBMW R100RTに乗っておられる方とお話ができました。東京からお越しとのことで、先ほど四国佐田岬からのフェリーで来られたとのことです。綺麗に整備されているR100RTを見て「憧れます!」との言葉が出てしまいました。どうぞ、お気をつけて旅を続けてください!

 さて、その後は北川ICから無料区間の道路を走り佐賀関港を目指します。このあたりどこをどう走ったか記憶に薄く、GPS信号受信状況が悪かったようで走行ログにも記録がありません。白杵市側から白杵湾を経由して走ったことは確かです。14:00のフェリーにするつもりで時間調整してきましたが、13:10に佐賀関港に到着しました。前便が出航して間もなくでしたので、バイクは一台もありません。

佐賀関港に到着。14:00の船便に乗船しました。

 ターミナルビルで乗船手続きをしてから、同所2階の食堂で「関サババーガー」を美味しくいただきました。13:40には車両で待機してくださいとのことだったので、GS-Aの所へ戻ります。その後バイクも何台か出航待ちをしていました。
国道九四フェリー https://www.koku94.jp/
 

大分県佐賀関港から愛媛県三崎港までのフェリー乗船。

 車両搬入等滞りなく進みましたが、14:15に定刻より少し遅れて出航。運賃はGS-A込みで3,960円也。今ツーリング3回目のフェリー利用になります。海なし県に生活している自分としては、このような海を間近にした旅が本当に嬉しいのです。

 国道九四フェリーは、大分県の佐賀関港と愛媛県の西端部に位置する三崎港を70分で結ぶ、九州~四国間を結ぶフェリーでは最短距離の航路です。 「涼かぜ」、「遊なぎ」、「速なみ」の3隻の船で運航しています。

 別府からスタートして阿蘇を堪能し、鹿児島、宮崎と3日間過ごした九州を後にします。向かうは愛媛県佐田岬の三崎港です。
 快適な船旅を提供してくれた船は、定刻より遅れましたが無事に三崎港到着。〔15:20〕

乗船客の方は多くはありませんでした。

同型の船三隻体制で運航されています。

別府、阿蘇から始まり、天草、鹿児島と
3日間旅した九州ともお別れです。

西に伸びる佐田岬の景観。
この後あそこを走ることになります。

三崎港が見えて来ました。まもなく着岸です。

 下船後は皆さん右折して松山方面に向かっているようですが、「佐田岬灯台」の案内板が目に飛び込んでしまい、左折していく狭隘路を佐田岬突端へと進みました。人の気配の希薄な道路で、かなり鬱蒼とした木々の中を、時折見える海原に感嘆しながら進みました。
 やがて、車道が途切れる駐車場に至ります。二台の車と一台の自転車が停まっているだけでした。突端の灯台はここから1,8Kmほど歩かなければいけません。時間に余裕があればなんてことない距離ですが、これからの行程を考えると少々厳しいようです。今回、灯台はあきらめ、ここで写真を撮って戻ることとしました。〔15:50〕
佐田岬 https://www.sadamisaki.com/spot/

佐田岬突端付近からの眺め。もう夕刻が近づいています。

先ほど乗船していた船が佐賀関港へと航行しています。

 再び三崎港の横を通り、松山市市街地を目指します。この時間なので「しまなみ海道」は明日にします。夜中に走っても何もいいことありませんものね。

 一般道を走り、途中から松山自動車道を利用します。延伸建設中の道路のようで、工事個所を何か所も見ました。ナビのおかげ混雑する松山市内も順調に進み、市街中心部にあるホテルに無事到着しました。駐車場がホテル地下の設備のしっかりしたところで、安心できるのもいいですね。

 今宵の宿はフェリー乗船中に宿泊予約サイトで手続きを完了させていました。松山市街のANAホテルです。なんと旅行割の適用で実質2,700円(一泊食事なし)のお支払いとなりました!

 お疲れ様! 今宵は松山市街を散策しますか?

ANAクラウンプラザホテル松山 https://www.anacpmatsuyama.com/

BMW MOTORRADコネクテッドアプリによる
本日の走行距離 467Km

 

阿蘇くじゅう やまなみハイウェイ  瀬戸内 しまなみ海道   九州・四国への旅  三日目

11月10日(木)

 昨晩は、FさんKさんと一緒に、ホテル近くの居酒屋で一献傾け、心地良く就寝することができました。

 ところがその夜…。午前3時半頃(登山ではもちろんツーリングでもこうした時間に起床することあるんです…)に目が覚めてお手洗いにいると、突然照明が消えました。どうしたのかな、と思い電灯スイッチやその他を確認しても点灯しません。「停電か?」と思い廊下を覗くと、非常灯は点灯している様子です。近隣が停電なのではと思い窓を開けると、特に変わった様子はありません。どうやらこのホテルだけの停電の様子です。
 インターホンでフロントに連絡をとろうとしましたが、電源が喪失しているようで無音状態。携帯で電話を試みましたがこれもだめ。仕方なく9階の部屋から、当然エレベーターも使えませんので歩いて降りました。フロントも当然真っ暗なままです。当直のスタッフは誰かいないのかと思い、通常の声でフロントに声を掛けました。誰も出てきません。次に少し大きな声で…。まだ返答はありません。少々キレ気味に少々品のない言葉を大声量で…。ようやく若いスタッフが一人寝ぼけたように出てきました。
 状況を話すと、その時点でようやくホテル全体が「停電」していることに気づいた様子で、その後もなにやらあたふたしているばかりで…。このホテルは危機管理という面で大丈夫か? と思わざるを得ない状況でした。各室の宿泊客にも連絡ができないありさまで…。
 停電の時の対応マニュアルとかあるんでしょうか?
 非常事態に宿泊客を安全に誘導することができるんでしょうか?
 こうした事態の時にどんな対応ができるホテルであるか…。ということを思うと、価格相応は承知しておかないといけませんね。それなりの価格を支払って安心を買うか、自己責任を承知して格安に利用するか、ということかもしれません。

 まあ、そんなこともありましたが、日が昇って周囲が明るくなりだした頃、3人で熊本城へと散歩に出かけました。市街中心を感じさせる立派な建物が並ぶその奥に、熊本城の天守閣を望むことができます。加藤清正公の立派な像、一直線に伸びる見事な石垣、黒塀の奥の見事な枝ぶりの木々…。お城のスケール感の大きさには感嘆するばかりです。開門時間はまだかなり後なので入城はあきらめて宿に戻りました。

加藤清正公座像。
熊本の皆さんが深く敬愛していることが伝わってきます。

石垣のほんの一部。
城郭全体の規模の大きさにびっくりです。


 ようやく停電から復旧した様子です。朝食は提供できないため、お弁当対応ということでサンドイッチを頂きました。
 8時半に出発ということで、自室に戻り支度を整えて玄関に集合。FさんKさんは明日からお仕事なので、錦帯橋を見学して今日中に帰宅するということ。私はもう少し九州を楽しみたいと思い、天草から鹿児島へと足を延ばすことにしました。
 FさんKさん、本当にありがとうございました! 
 ご帰宅まで気を付けてご走行ください!

 通勤ラッシュと重なる時間でしたが、さほど困惑することなく、天草方面への道を進みます。途中、今回ツーリング2回目の給油〔セルフ本山 25ℓ〕
 国道3号線を南下して宇土市に入り、国道57号線との交差点を右折して天草方面へ。
 現役なのかしら?と思う線路状況のJR三角線に沿ってしばし西走。やがて海沿いの気持ちよい道となりました。静かな有明海を隔てて島原半島雲仙普賢岳を間近に眺めながらの快走ルートです。

有明海を隔てて臨む島原半島雲仙普賢岳
生育している木は長野県では見られませんねえ。

 海風を感じながら快適に走り、やがて三角港に至りました。
 岬に囲まれた静かな港湾です。美しい石畳の向こうには、天草の島々を結ぶ白い大きな橋が架かっています。

石畳が実に美しい三角港からの大橋の眺め。

地域の史跡を調べる社会見学でしょうか。
若い女の担任の先生が引率していました。
なんか…現役時代を思い起こしますね。

 三角西港世界遺産明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のひとつになっています。建設には国費が投じられ、宮城県・野蒜築港、福井県三国港とともに明治の三大築港と呼ばれているそうです。
 こじんまりした佇まいですが、港を取り囲むように、味わい深い洋風建築の建物が美しい姿でたたずんでいます。

◇浦島屋  明治中頃に存在していた旅館。木造2階建ての洋館。西港のメイン。1893年明治26年)に小泉八雲ラフカディオ・ハーン)が滞在し「夏の日の夢」という紀行文を残した。港湾環境整備事業により1992年(平成4年)に建物の一部が復元され、休憩所・カフェ・展示場などとして活用されている。
龍驤館  明治天皇の即位50周年を記念して宇土郡教育会が建てた木造平屋建ての洋館。現在はイベントや展示場として使われている。
◇三角築港記念館  荷役倉庫として使われていた土蔵造りの建物。1999年(平成11年)に洋風レストランとして改装された。
◇旧高田回漕店  旅客・貨物輸送の取次をした廻船問屋。築港当時の面影を残す港湾施設として1999年(平成11年)に修復された。
◇ムルドルハウス  洋風の物産館。伝統工芸品や海産物などの特産品を販売している。なお、ムルドルは三角港を設計したお雇い外国人技師の名前である。

 世界遺産「三角(みすみ)西港」の観光ガイド!日本で唯一完存する明治期の港湾施設 – skyticket 観光ガイド

 ここでは、スーパーカブ125でお散歩中のお二人の九州ライダーと暫し話しました。なんでもGSにも乗っているということで話が弾みました。翌日の11日に某イベントがあるので来ませんかとのお誘いを頂きました。鈴木忠雄(ちゅーさん)さん〔※昭和のライダーでないと知らないかも…。〕がゲスト参加するイベントを進めている方なのでした。場所はとお聞きすると「瀬の本レストハウス」とのこと。あれれ…昨日待ち合わせた場所だ!
 折角のお誘いですが、今回はご遠慮申し上げることにしましょう。

 お二人と分かれて先に進みます。天草パールラインを快走。このあたりから、かなり暑さを感じるようになりました。信州人には暖かすぎる日差しです。進んでいく街道には、何か所か「天草四郎」の記念館や資料館がありました。興味あるのですが、今回はスルーさせていただきます。

 「道の駅 上天草さんぱーる」にて一服〔10:45-11:00〕
 発送できる特産品はないものかと見まわしましたが見当たりませんでした。駐車場の写真はご覧の通り、長野県には見られない南国の樹木が…。ラリースーツだと暑い! メッシュ夏ジャケットを持ってくればよかった!

生育している木々に南国を感じます。
信州では絶対見られない!

熊本県 道の駅 上天草さんぱーる (sunpearl.jp)

 

 その後も天草パールラインを進み、天草五橋とその展望を味わうことができました。

天草五橋 | 観光地 | 【公式】熊本県観光サイト もっと、もーっと!くまもっと。 (kumamoto.guide)

 

 最後の前島橋を渡り終わった後、松島有料道路を通らず山の中の道を行くことになりました。少々うろうろしたようですが、再び海沿いの道に出て、「道の駅・有明」で一服。ここで水分補給とたこ焼きを頂きました。〔道の駅・有明 11:40-12:00〕

信州人には結構な暑さ! 
メッシュジャケット持ってくればよかった!
11月半ばでこうなんですね。
九州のライダーは通年乗れるのが
うらやましいです!

 道の駅 有明 | 九州の道の駅へようこそ (mlit.go.jp)

 

 その後、鹿児島へ渡るフェリーに乗るべく牛深港を目指します。暑さにボケたのでしょうか天草市街中心地で少々迷いました。それでも山の中につけられた県道266号線を進み、「かかしの里」という妙な道の駅を右手に見て進みました。この辺りは植生こそ違いますが、信州の山村景色と似たような山中の道です。
 再び、海の香りがしてくると「牛深港」も間近です。「フェリー乗り場」の案内に従って港湾桟橋の指定場所にGS-Aを進めました。待機場所には既に一台のアメリカンバイクが停まっています。〔牛深港13:50 〕

牛深港と鹿児島・蔵の元港を結ぶ三和フェリー
14:00の便に乗船。
運賃は人間+GS-Aの大きさで1,630円也。

三和フェリー - 熊本県の天草と鹿児島県の長島を結ぶフェリー (ezax.co.jp)


 航行距離も短く、小さなフェリーですが、それだけに心躍るものもあります。14:00の便に乗船しましたがバイクは2台だけ。車も少なくローカル色豊かな味わいがありました。
 30分ばかりの乗船。運賃はGS-Aの大きさのバイクで人間込み1,630円也。

 鹿児島県「蔵の元港」に到着。滞りなく下船し鹿児島市へと向かいます。しばらく海沿いを走った後は内陸の道路を進みます。途中から自動車道に入り、薩摩川内市を通り越し鹿児島市へ。鹿児島で自動車道を降りて市内を走行。桜島の景観を楽しもうと思い城山展望台を目指します。結構な複雑な上り坂でした。この頃丁度曇り空が厚くなって青空は影を潜めてしまったのですが、夕景近づく桜島を間近に眺めることができました。


 そろそろ日が暮れてきました。今宵の宿を…と思い宿泊予約サイトで検索しますが、鹿児島市内には見当たらないようです。範囲を広げるとお隣の姶良市に適当なプランがヒットしました。ネットで予約しナビにもセット。夕闇に暮れていく鹿児島市内から姶良市のホテルへと向かいました。

BMW MOTORRADコネクテッドアプリによる
本日の走行距離 25Km



阿蘇くじゅう やまなみハイウェイ  瀬戸内 しまなみ海道   九州・四国への旅  二日目 その②

 クシタニカフェ前で待つこと暫し、私とほぼ一緒のGS-Aを先頭に5台のバイクがやってきました。モトライドツアーズの友枝さんの先導で、早朝に熊本を発ってこられました。モトライドツアーズからは、もうお二人(田邉さん、上妻さん)ご一緒いただいていました。
 いずれも阿蘇を愛し、その魅力を知り尽くしたベテランライダーです。よろしくお願いします!
※ モトライドツアーズ https://motoridetours.com/

 

 島根からお越しのFさんは、なんとまだ納車したてのK1600GTでの参加です! 同じGS-Aに乗っておられたのですが、「6気筒を体感したい」ということで乗り換えられました。明るいカラーリングの1600GT…いいですね! もうお一方島根からの参加はKさんは、先日のビーナスラインでもご一緒させていただきました。「レブル1100ってあんなに走れるんだ!」と思うほどスロットルの開けっぷりも見事な女性ライダーです。
 今日のメンバーが揃いました。どうぞよろしくお願いします!

 

 友枝さんを先頭にして、Kさん、Fさん、ワタクシ、田邉さん、上妻さんのオーダーで、この日は終日走りました。
 さて、合流後に初めに向かったのは大観峰です。阿蘇外輪山の一角であることは知っていましたが、訪れるのは初めてです。「阿蘇随一のビュースポット」と言われるだけあって、360度の大パノラマが広がっていました。阿蘇市の俯瞰、阿蘇五岳とくじゅうの峰々が一望のもと! とくに「阿蘇五岳」の姿は、「涅槃像」と呼ばれている通りです。お釈迦様の寝姿を見ることができました。普段、南北アルプスや中部山岳の景観に親しんでいる自分にとっては、山容も地形も植生も…様々な違いのある自然景観に魅入られる思いでした。

 

阿蘇外輪山とカルデラの景観

カルデラの底に広がる市街地

阿蘇五岳の姿はお釈迦様が横たわっているように見えます。
大観峰にて。
信州人には暑い日だったので、ラリースーツを背負っています。
FさんKさんとのスリーショット。

本日の行動を共にした仲間たち。
足並みが揃っていて、全く違和感なく走ることができました。

 それにしても阿蘇外輪山のカルデラの規模の大きさ…。現在の阿蘇市ほか人々が暮らしているところは、かつての大噴火で生まれたカルデラの底ということですから、考えてみれば驚くべきことですね。人類の単位と、地球規模の地殻変動の単位は全く比較にはならないとは言え、再び阿蘇火山の大噴火みたいなことがあったらと思うと…。まあ、数万年~何十万年後ということなんですよね。その頃、今の人類はどうしているんでしょうね。 

※ もっともーっとくまもっと
 大観峰 https://kumamoto.guide/spots/detail/211


 さて、お次はランチタイムです。ソロツーリングでは絶対にわからないであろう裏道、しかも走りやすく快適でもある道を、知り尽くした方の先導で走っていく安心感といったらありません。これから行くお店も、事前に予約しておいていただいています。
 案内していただいたお店は「ケニーズ・カフェ」。昭和のライダーであればすぐにピンとくると思いますが、「ケニー・ロバーツ」に所縁のあるお店なのです。
※ ケニー・ロバーツ
https://bike-and-life.com/famous-riders/racers/king-kenny-roberts-american-super-rider/

 阿蘇山ろくの高森町(長野県にも下伊那郡に同名の町がありますね)にあった閉校した小学校の校舎を利用しています。店内は明るく落着いた雰囲気です。数台のマニアックなバイクが展示されているほか、キング・ケニーの写真が多数展示されています。料理もボリュームたっぷり。あたたかく手作り感満点で、本当に美味しくいただきました。ご主人も実に温かいお人柄の方です。以前は別の場所にお店があったのですが、移転するにあたって、常連の皆さんが集い、みんなで内装や照明の工事をしてくれたと語られていました。ご主人のお人柄によるものですね。居心地のいい時間と空間でした。ありがとうございました。

ケニーズカフェの看板   店内には味わい深いバイクが数台
閉校した校舎を利用した店内には、
ケニー・ロバーツに関する展示室がありました。
ファンにはたまらないでしょうね。

※ 熊本 山中にライダーが次々訪れるカフェ(朝日新聞デジタル記事)
https://www.asahi.com/articles/ASMBZ3WMKMBZTLVB006.html
※ ASO Kenny's Cafe
https://travel.yahoo.co.jp/kanko/spot-00007980/


 美味しいランチを頂いた後、一同は阿蘇中岳火口へと向かいます。
 目的地に至るまでの道も、前後左右に広がる景観も、本当に素晴らしいものばかりでした。

米塚の景観。過去の噴火による墳丘です。


      

 ルート上から眺めた「米塚」〔約3300年前の噴火で形成されたと言われている、おわんを逆さまにしたような美しい形の墳丘〕の均整のとれた姿。「草千里ヶ浜」では、噴煙を上げる中岳を背景にして馬が悠々と歩く姿に心打たれました。絶対ダメですが、GSで走れたらいいなあ…とも思いました。

 

草千里が浜  伸びやかに広がる草原 
GS-Aで走ってみたくなりますね。絶対ダメですよ!

 

 さて、阿蘇中岳火口です。
 噴火活動で長らく立入規制がなされていたのですが、なな何と…

「令和4年11月9日9時から火口見学を一部再開(Bゾーン)します」

私たちのツーリング日の9時から規制解除になったのでした!
何たるラッキーなことでしよう!

令和3年10月20日の中規模噴火により火口周辺のガス検知器、火口監視所、転落防止柵等が破損、噴火警戒レベルが1に下がった令和4年4月15日から火口周辺概ね1キロ範囲の立ち入りを禁止する「自主規制」を継続し、関係機関と協力しながら早期の火口見学再開を望む声に応えるべく、復旧工事等を進めてきたところです。「本日、阿蘇火山防災会議協議会において、火口周辺の安全設備、体制等を確認したところ、令和4年11月9日9時から1年1ヶ月ぶりに火口見学を一部再開(Bゾーン)することとしましたのでお知らせします」(11/7)

 先ほどまで「阿蘇カルデラ」の外輪山の一角(大観峰)にいたわけですが、いまはそのカルデラ内の中央にそびえる阿蘇五岳根子岳高岳・中岳・烏帽子岳杵島岳)のうち、活発な活動を続けている中岳の火口に来ています。直径600m、深さは130m。周囲4キロの巨大な噴火口を目の前にして、その白い噴煙を上げている様子は圧巻でした。ほんの4時間くらい前から立入規制解除とは! 本当にラッキーでした!

私たちの訪れる5時間ほど前から規制解除になりました!

避難用のシェルターが多数…。

火口からは白い噴煙が上がっています。


※ もっともーっとくまもっと 阿蘇中岳火口

https://kumamoto.guide/spots/detail/209

 見学後はレストハウスで「火山灰ソフト」をいただきました。グレーの妙なソフトですが、もちろん本当の火山灰であるはずはなく、「黒ゴマ」によるニュアンス付けですのでご安心を!

 

 阿蘇の山々に別れを告げ、どこをどう走ったかは説明できませんが(知り尽くした友枝さんでなければ案内できない道…)、阿蘇の伏流水が噴出している「白川水源」に立ち寄りました。 ここは、環境庁「名水百選」に選ばれている水源です。常温14℃の水が毎分60tも湧き出ているそうで、熊本市内を流れる白川の源です。水は自由に持ち帰ることができます。近くの売店には、空のペットボトルが販売されていました。
※ もっともーっとくまもっと 白川水源
https://kumamoto.guide/spots/detail/219

 

 続いて、これもどこをどう走ったか再現できませんが、本日の終了点である熊本市街へ出るにあたって、1日の走りの締めくくりとして「ケニーロード」を選んでいただいていました。このあたり、モトライドツアーズのスタッフの皆さんが、いかにバイク乗りの心情を深く理解しているかを感じずにはいられません。展望ポイントからは、夕景に輝く阿蘇の山々と本日走破してきた道を見渡すことができました。
※ ケニーロード https://www.bikejin.jp/column/touring-16796/

 ケニー・ロードの展望台で夕景を堪能したのち、熊本市街へと向かう道で日が暮れました。道を知り尽くした先導者がいてくれるというのは、本当にありがたいことです。帰宅ラッシュの時間と重なってしまいましたので、渋滞の中を進むことになりましたが、これはこれでいい思い出です。熊本…大都会なんですね!
 

 市街に入って、ホテルの場所を探してのゴー・ストップや右左折なんて、一番骨の折れる厄介な場面ですが、そこも友枝さんの先導により、安心してホテル玄関までエスコートしてくださいました。
 

 本当に中身の濃いルートを、安心安全の思いの中で楽しむことができました。

 モトライドツアーズの皆さんの確かなエスコートのおかげです。

 心より感謝!

 本当にありがとうございました!

BMW MOTORRADコネクテッドアプリによる
本日の走行距離 237Km

 

阿蘇くじゅう やまなみハイウェイ  瀬戸内 しまなみ海道   九州・四国への旅  二日目・その①

11月9日(水)

 すっかり熟睡することができ、快適な船旅でありました。船は穏やかな瀬戸内海を進み、定刻通り6時55分に別府港に到着する模様です。
 船内のレストランでは600円という格安価格で朝食バイキングを提供してくれています。早朝5時45分からの営業なので、ありがたく利用させてもらってから下船準備。身支度をすべて整えて車両デッキへ。係員の指示に従って下船します。お世話になりました!

早朝の別府港 と フェリー船上からの眺め

フェリー下船後。別府港前の道路脇にて。

 別府港に降り立ち、まずはインカムやナビのセットを行います。今日も天気は最高です。これからの予定としては、10時半に瀬の本レストハウスのクシタニカフェで、Fさんとモトライドツアーズの皆様方と合流することになっています。距離と時間との兼ね合いをみても結構余裕がありそうです。

 まずは湯布院を目指すため、別府ICへと向かいます。港からは大通りを横切って、上り坂の道となります。車線の上下を区切る街路樹が長野では絶対に見かけることのない樹木(フェニックス)です。
 

 途中、「十文字展望台」の案内表示が目に留まりました。誘われるがままに右折。九十九折の道を気持ちよく登っていきます。やがて右手にTV放送局のアンテナが見えてきて、そちらへ続く細い道へと右折します。すると目の前に大海原と別府市街を見下ろす展望が広がりました。周囲には誰もいません。駐車スペースのど真ん中にGS-Aを停めて、本日最初の写真を撮ることができました。

十文字展望台。偶然でしたが穴場だと思います。

 

 広がる海の景色を眺めていると、一台の車がやってきて、私と同世代の方が降りてきました。どちらからとなく挨拶をすると、広がる展望についていろいろと教えてくださいました。
 これから仕事へ向かうということでした。よいひと時がもてたことに感謝です。
※ 十文字展望台 http://hoteloita.com/beppu/jumonjibaru.html

 展望台からは湯布院へと繋がる九州自動車道に乗るために、別府湾PAのETCゲートから入ることができたのですが、なんと私は反対方向に入ってしまいました。仕方なく別府ICまで戻って引き返しです。
 湯布院へ続く高速道路では展望も抜群で、走行する車も少なく素晴らしい快走区間です。行く手の左に聳える由布岳が朝日に映えて美しく輝いています。湯布院ICで一般道へ。空は晴天ですが、山麓にはうっすらと霞がたなびいていて、その中から湯布院の街並みが浮かび上がってきます。日頃親しんでいる信州とはまた違った、美しい日本の山里の情景にうっとりしてしまいます。この有名な温泉街だけでも一日楽しめそうですが、今回はスルーです。後日、奥方を連れて来たとき、この地でゆっくり過ごしましょう。

 いよいよ飯田高原に向けてカントリーロードを進みます。「やまなみハイウェイ」までのアプローチとなる道も素晴らしいものでした。豊かな木々の中を素晴らしい道が続いています。路面状態がとてもよいことを実感します。長野県のように冬季の積雪や凍結のために、道路が痛むことも少ないのでしようか。とても走りやすいワインディングでした。
 この時間、まだ走っているバイクは見かけませんでしたが、快適に走るうちに、久しぶりに2ストのオイルの香りが漂ってきました。さらに進むと2ストのエンジン音が聞こえ、先行していたライダーの姿が見えてきました。地元の方のようで、道をよく知り気持ちよく走っていました。後ろから妙なパイクが迫ってきたのでペースを上げたのでしょうか、エンジンの音が甲高くなりました。私もこの年になって競るつもりはありませんが、元気な走りの人と出会うと、「楽しくなっちゃう」ことはあるので、後を追わせていただきました。
 先行(おそらく…NSR250)のバイクは軽量でレスポンスもよく、いい走りしているライダーだと思います。しかし…GS-Aというのは不思議です。こんな巨体な上に、今日はフルパニアで荷物満載なんですが、こんなワインディングでも十分余裕を持って追いかけられる…というか、先行車が道を譲ってくれちゃいました。申し訳ない…。一緒に走ってくれてありがとう! 貴重な2ストレプリカ、大事に乗ってくださいね!

朝日台展望台

 朝日台展望台で展望を楽しみ、いよいよ「やまなみハイウェイ」の入口へと至りました。気持ち良いストレートから始まっています。通車も少なく、ゆっくり撮影ができました。

  

 その後も雄大な景色の中を、気持ちよく伸びやかなストレートの道、豊かな弧を描くカーブの道、気持ちよい切り返しに心躍る連続コーナー等々、実にぜいたくな走りを堪能させてくれました。

やまなみハイウェイのルート上。長者原にて。

 

道路上で見つけた絶景地。
瀬の本レストハウスが見えていたようです。

※ やまなみハイウェイ
https://www.env.go.jp/nature/nationalparks/list/aso-kuju/course/10/
https://traveroom.jp/yamanami-highway


※ 飯田高原 https://www.town.kokonoe.oita.jp/docs/2018020500019/

 

 幸せな走りに心が躍るままに、9時半頃、合流地点の「瀬の本レストハウス」に到着しました。「クシタニカフェ」の前に駐車させていただきました。到着した時には他にバイクの姿はありませんでしたが、その後は数台ずつ入れ替わるようにバイクがやってきました。生憎、本日は休業だってようです。

私が到着した時刻には、
他のライダーさんは誰もいませんでした。

 幸せな気持ち一杯で、Fさん、Kさんとモトライドツアーズの皆さんを待ちました。

阿蘇くじゅう やまなみハイウェイ  瀬戸内 しまなみ海道   九州・四国への旅  初日

 先日10月1日(土)に長野県下伊那郡阿智村昼神温泉を会場として、BCN(BMW Clubs Nippon  https://bmw-clubs.jp/ )の会合がありました。
※ https://gs1250suguru.hatenablog.jp/entry/2022/10/01/170000

 全国各地から参加された皆さんと交流することができました。九州からお越しになられた九州支部の方々ともお話させていただく機会があったのですが、その皆さん方の中に、九州のツーリングをサポートする会社を立ち上げた方がおられました。その事業の説明とともに案内のパンフレットをいただいたのですが、大変に興味を惹かれました。
※ モトライドツアーズ https://motoridetours.com/
 
 島根県在住で中国支部所属のFさんも大変に興味を持たれたようで、ぜひ利用したいとのことを話されていました。Fさんとのフェイスブックでのやり取りの中で、阿蘇ツーリングのことが話題になり、都合が合えば一緒に出かけましょうということになりました。現在の職務では自分でスケジュールを組むことが可能ですので、Fさんの日程に沿うかたちで当方も参加させていただくことにしました。まずは11月9日(水)に阿蘇のいずれかで合流ということが決まりましたので、11月8日(火)に大阪から別府へのフェリー乗船することをまず決めました。10月13日には大阪発フェリーを予約。
※ https://www.ferry-sunflower.co.jp/route/osaka-beppu/time/

 復路は11月12日(土)までに自走して帰宅することだけのざっくりとした計画を立てて、ほかは「足の向くまま…」の4泊5日のツーリングとすることにしました。

 

11月8日(火)
 大阪南港フェリー乗り場に5時半頃までに到着すればよいので、午後発でも間に合いますが、天気もいいので途中の寄り道も楽しむこととして、大阪環状線の渋滞も考慮して8時半には自宅を出発しました。
 長野県では間もなく峠道のいくつかはクローズされる時期となりました。これから向かう九州・四国地方はさぞ暖かいのだろうか、山々の姿はこちらと随分違うのかなと思い、県内PAで出発時の写真を1枚。【小黒川 9:15】

長野県内の山はこのような具合。
今日から五日間は良い天気との予報です。

 中央道をひたすら南下し、恵那峡SAで給油〔24ℓ〕。古牧JCTから東名、名神と乗り継ぎます。このルート、先日8月23日に「醒ヶ井宿」に来た時にも通ったのですが、その折には信州人には厳しい暑さのために早々に退散してしまいました。
※ https://gs1250suguru.hatenablog.jp/entry/2022/08/23/180000
 
 今日は気温も快適で、周辺を回るにはぴったりです。彦根ICで降りて「多賀大社」と「長命寺」を参拝することにしました。
 多賀大社には12時20分に到着。
※ 多賀大社 http://www.tagataisya.or.jp/

 滋賀県第一の大社で、土地の皆さんには「お多賀さん」と呼ばれて親しまれいています。ご祭神は伊邪那岐伊邪那美の二柱の大神。神代の昔、初めて夫婦の道を始められ、日本国土、そして天照大神をはじめとする八百万の神々をお産みになられた神様です。生命の親神様であることから、「延命長寿・縁結び・厄除け」の神様として信仰を集めています。
 平日ということもあり、境内は静謐で穏やかな雰囲気が保たれていて、ゆっくりと参拝することができました。丁度お昼時でしたので、境内にある「寿命そば」というお店で「鮎そば」という品を頂きました。
※ 寿命そば https://dokusenjo.com/archives/1491

 

 

 その後、琵琶湖沿いへと出て、右手に広い湖面を眺めながら南下します。この日は交通量も多くなく、ひっそりとした道路を進み、案内看板に従って右折。すぐに日帰り温泉施設「天葉の湯」が見えてきます。この右手の山の上に建つのが「長命寺」です。
※ 長命寺 https://www.saikoku33.gr.jp/place/31

 お寺の本堂に行きつくには、山上までの808段と言われる石段を登っていかなければなりません。エンデューロブーツで歩くのは快適ではありませんが、頑張って登りました。本日一番の運動量でありました。

本堂に行き着くには808段といわれる石段を
踏破しなければなりません。
土合駅の階段より長いな…

 近江八幡市長命寺町にある天台宗系単立の寺院。ご本尊は千手観音、十一面観音、聖観音の三尊を千手十一面聖観世音菩薩とされたものです。聖徳太子の開基と伝わっています。西国三十三所の第31番札所です。「琵琶湖とその水辺景観- 祈りと暮らしの水遺産 」の構成文化財として「日本遺産」にも認定されています。


 このお寺に参詣しようと思ったのは、「琵琶湖周航の歌」にこのお寺が詠まれているからです。「琵琶湖周航の歌」の6番は次の言葉です。

西国十番 長命寺    汚れの現世 遠くさりて
  黄金の波に いざこがん   語れ我が友 熱き心

「われは湖の子 さすらいの旅にしあれば しみじみと…」
 この「琵琶湖周航の歌」は、三高(現・京大)に入学した諏訪郡湊村(現・岡谷市)生まれの小口太郎さんが、琵琶湖を一周する中で作詞したものと伝わっています。三高の寮歌・学生歌として大切にされていると言います。また、私が三年間勤務した湊小学校の第二校歌とされていました。叙情豊かに琵琶湖の静けさと美しさを歌い上げている歌詞、曲調ともに大好きなんです。太郎さんも故郷の「諏訪湖」の景色とも重ね合わせてこの詩を作ったとも思うのです。
 長い石段の登りは大変でしたが、境内の静謐な雰囲気、そして琵琶湖の展望を心深く味わうことができました。ありがとうございました。

 2時半に出発。いよいよ大阪南港を目指します。「まだ余裕がある時間だな」と思っていたのですが…。
 竜王ICから名神高速に入ります。瀬田東JCTから京磁バイパス、第二京阪等々乗り継ぎ、阪神高速…。この辺りで大変な渋滞に巻き込まれてしまいました。都市高速道路はこんなもんだよなあ…と諦めるしかありません。どんな場面でも扱いやすいGS-Aですが、こんな渋滞はさすがに似合いませんねえ。余裕を見て出てきてよかったです。
 そんなこともありながらも、17時には大阪南港フェリーターミナルに到着しました。バイクも20台ほど並んでいました。
※ 大阪南港フェリーターミナル https://www.osaka-ferry.net/landing

 

 乗船手続きをお願いすると、窓口のお姉さんが「旅行支援で一部返金できます」とのことを教えてくださいました。3回接種証明書を提示すればよいとのこと。何と現金8,000円とフェリー船内で使える3,000円分のクーポンを頂きました。ありがとうございます。

 6時に車両乗船開始。滞りなく「さんふらわあ・こばると」の船内デッキにGS-Aを搬入。いつも思いますが、船のクルーの皆さんのテキパキした指示や行動には感心してしまいます。GS-Aの係留をお願いして客室内へ。この船は三階で客室の鍵を受け取ります。
※ さんふらわあ 大阪~別府
 https://www.ferry-sunflower.co.jp/route/osaka-beppu/cabin/

 今回の部屋はちょっと奮発して「デラックスシングル」を選択。ツーリングでは「ツーリスト」グレードのような部屋の方が、青春の味わいがあり、気分が出ることも承知しているのですが、この年齢になると気兼ねなく手足を伸ばしたいですし、いびきや放屁(失礼!)も人目を憚らずにしたいので…。

大部屋には「青春18きっぷ」的な味わいがあるのですが… 
この年になるとイビキも放屁(失礼!)も
気兼ねなくしたいので個室です。

 重たいラリースーツを脱いで、個室でゆっくりと体を休めます。
 本日は、皆既月食。船上のデッキから天体ショーを楽しむことができました。
 
 明日、早朝の別府到着まで、おやすみなさい。

【本日の走行距離 397Km】

 

晩秋の上信国境のトレラン   浅間山に連なる静かな山域

 このところの県内ではかなりの冷え込みを感じるようになり、アルプス稜線はしっかり雪化粧しましたし、八ヶ岳もうっすら冠雪しています。標高の高い峠道も場所によっては積雪があったようで、志賀高原横手山渋峠の道路は積雪があったようです。クルマもタイヤの履き替えが必要になってくる時期ですし、バイクも場所を選んで乗らなければならない時期になりました。
 勤務のないこの日、久しぶりに少し離れた山々でのトレランのトレーニングにあてることにしました。

 本日の会場は浅間山から北に繋がる上信国境の山々。高峰高原、車坂峠がベースとなります。昨年は同所から黒斑山と浅間外輪山をトレランしましたが、今回は峠から北側に連なる水ノ塔山、籠ノ登山方面を走る計画です。「アサマ2000スカイレース」なるトレラン大会があって、一部はその時のコースにもなっています。私も7,8年くらい前に参加したことがあります。
◇アサマ2000スカイレース
https://skyrunninja.wixsite.com/asama/skyrace

 今日予定しているのは、このスカイレースの逆回りに三方が峰と見晴し岳の周回を加えたコースです。

 

 普段と同じような…というよりもゆっくりした時間に支度を整えて、9時少し前に出発。和田峠を越えて旧丸子町(現上田市)に入って小諸へと向かうのですが、よくわからない工事頻発に加え、道路誘導もこれまたよくわからなく大渋滞。かなり無駄な時間を過ごしました。ようやく渋滞を抜けて、国道18号線から車坂峠へのチェリーラインに入りました。
◇チェリーパークライン
https://www.8190.jp/bikelifelab/road100/nagano/925/

 この道はバイクで走ると大変爽快な道です。本日もGSで訪れれば一度に二度おいしいのですが、最近はトレラン終わっての帰り道に、クルマの中で大腿四頭筋が攣る!ということが起こるのです。GS-Aライディング中に足が攣ったらかなりヤバいですね。
そんなわけで、トレランでのバイク利用は自粛しています。

チェリーパークライン上部にて。気持ち良い青空が広がります。
トレランの時は…バイクは自粛しています。

 車坂峠には広い駐車場があるのですが、平日に関わらず、この時間では満杯でした。多くは浅間山(外輪山)に出かけているものと思われます。浅間山深田久弥百名山」に選定されているので人気が高いのです。しかし、現在のところ山頂までは行かれません。何分、結構活発に活動している火山ですので、状況がよく変わります。今現在は前掛山まで可能なのかなと思います。
浅間山登山情報(佐久地域振興局)
https://www.pref.nagano.lg.jp/sakuchi/sakuchi-shokan/kanko/asamatozan.html

 昨年、私が浅間外輪山をトレランしたときは、前掛山までも規制がかかっていました。この外輪山も独特の景観で、なかなか楽しめるところです。
◇浅間外輪山トレイルランニング
https://gs1250suguru.hatenablog.jp/entry/2021/07/22/180000

 

 峠の駐車場から700メートルばかり下に「高峰マウンテンパーク」(アサマ2000パーク)の駐車場があるので、群馬県側に下って駐車しました。他にクルマはナシ。平日のこんな日に浅間山登山という方々はご年配者(…俺もか!)が多いので、クルマは少しでも至近に駐車したいんですよね。ワタシの場合は「走れる距離が1.5キロほど増えていいや!」と思える環境にあるので苦にはなりません。
◇高峰マウンテンパーク  https://asama2000.com/

 さて、トレラン仕様のいで立ちに着替えて出発です。まずは車坂峠まで舗装道路を登り返します。その後、高峰温泉までの平坦な林道を進みます。スキー場を横切るようにつけられた林道です。行く手にこれから辿る山々が青空に浮かび上がっています。高峰温泉までは僅かな距離です。高峰温泉は「ランプの宿」として有名です。この日は寄る予定に入れてありませんが、日帰り入浴もやっていて結構な人気だとか。
高峰温泉 ランプの宿  https://www.takamine.co.jp/

高峰温泉付近から眺める本日のエクササイズ会場。

 ここから、右手の林に入っていきます。緩やかな登り道。気持ちよく走れるところです。すぐに樹林を抜け出し、展望の広がる尾根の斜面を登ります。いかにも噴火によるものとわかる岩がゴロゴロしている斜面です。振り返ると、冠雪している富士山までが見渡せる大展望です。遠景には南アルプス中央アルプス、乗鞍、北アルプス、近くには八ヶ岳とその前面に広がる佐久の平と千曲川の流れ。今日は1日中この景色を眺めながらのランニングです。

稜線が近づいてきました。展望の利く広い尾根を進みます。

 じきに「水ノ塔山」(2,202m) に飛び出しました。

 ◇水ノ塔山 https://yamap.com/landmarks/63700

 昨年訪れた浅間山外輪山と、その奥には冠雪した浅間山の丸い山頂が間近に望めます。そして群馬県側の山々と関東平野の広がりが目に飛び込んできました。こちらの方面は…榛名山や赤木山等のメジャーな山々しか分かりません。

 続く群馬県側の下り登山道には、日陰の樹林ということもあってか、少しばかり雪がついていました。トレランシューズですので、ちょっと気を使って進みます。再度長野県側のきもちよい登山道となり、少しばかりの急登を越えると、広い山頂を持つ「東籠ノ登山」(2,227m)に飛び出しました。

◇籠ノ登山 https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/ptinfo.php?ptid=3596

 ここも先ほど述べた大展望が広がっています。

群馬県側の展望です。

冠雪した丸い山頂をのぞかせているのが浅間山
今も山頂までは規制されていて行かれません。

今しがた通ってきた山稜です。
この日は本当に気持ち良い青空が広がっていました。

 さて、山頂からは、木々の密度が濃くない、明るい雰囲気の樹林帯の道を快適に下っていくと、「兎平」と呼ばれる場所に出ます。車坂峠からこの兎平までは林道が付けられていて、クルマでのアクセスも可能です。ここまでクルマで入って、四囲の山を周回するプランもありですね。
 兎平には何台かのクルマがありました。東屋もあり気軽なピクニックが楽しめそうな場所です。
 ここからは、林道を横切って右手に伸びる草付き斜面を進みます。道は明瞭ですし斜度も適度で気持ちよく走れるところです。広い稜線に沿って進み、じきに「見晴し岳」(2,095m)に出ます。名前に違わず見晴らしがよく、ことに八ヶ岳東側斜面にひろがる佐久平、小諸、東御の平の眺めと千曲川の姿が見事に望めます。

見晴し岳の手前には「雲上の丘」という場所もありました。

見晴し岳からの展望

 平坦やや下りの道をたどって、今度は「三方が峰」(2,040m)に出ます。ここからはひたすら下り…と言っても短い距離で「池の平」と呼ばれる広い湿原に降り立ちます。
◇池の平湿原
 https://yunomaru.co.jp/situgen/

池の平湿原にて。本日は貸し切りでございました。

 ここでは湿原保護のために木道が整備されています。快適なセクションです。花の季節には多くの人を迎えるようですが、本日は貸し切りでした。
池の平の周囲を取り囲む山々を一巡りして、先ほどの兎平に戻りました。ここからは、林道を車坂峠へと戻るだけです。ほぼ平坦、やや下り気味の林道を淡々と進むことになります。ちょっと退屈ですけれどね。

フィニッシュ間近の林道から望む本日のコース前半。

 高峰温泉を通り越し、スキー場ゲレンデを横切り、車坂峠へと戻ってきました。そこから舗装道路を下り、先ほどクルマを停めた「高峰マウンテンパーク」駐車場へと戻りました。  
 駐車場には今朝と同じく、私のクルマ以外には一台も見当たりませんでした。

 帰路は、小諸市から立科町へ出て、笠取峠、和田峠経由で帰宅しました。
 

 自宅到着17:00頃。適度な内容のトレランの一日でした。

本日トレースしたルート(STRAVAによる)