GS1250ADV SUGURU’s DIARY

還暦超のアルピニスト・バイク乗りの極めて平凡な日常

美しい水辺の宿場町と清流に咲く花  中山道「醒ケ井宿」を訪ねて その①

 まだまだ暑い日が続きます。

 こうも日本全国が猛暑に見舞われていると、比較的涼しい地元の信州を出て、暑い地方へと敢えて出かけていくことが億劫になります。
 ツーリング目的地としても、県外を選択することが少なくなります。知り合いにも「今月はビーナスラインにしか走りにいってない」なんて方もいます。間違って県外に出て暑さにやられると「それが正解!」と思ってしまいます。
 そんなわけで、私の月間走行距離は、8月が格段に少ないのです。

 そうは言っても遠距離を走らないとウズウズする性癖は出てきてしまうので、そんなときは早朝出発の早目帰還を心がけながら、適切な日帰りルートを計画しています。

 今回の目的地は滋賀県米原市「醒ヶ井」。清流と昔懐かしい景色が見られる小さな宿場町です。江戸時代には中山道の宿場町として栄えていました。

 こうした宿場町は我が県内にたくさんあります。有名どころでは「奈良井」「妻籠」など枚挙に暇がありませんし、手前味噌ですが「風格」「歴史」も上手だと思っています。しかし、そちらへは足繁く通っているところでもあり、思いついたらすぐ行けます。時間がとれるときは他県の宿場町の風情も味わいたいと思うところです。

 さて、心を癒すような水辺の美しい風景。「醒ヶ井宿」にはそれが確かにありました。清流と昔懐かしい景色が息づく小さな宿場町でした。現在も、そこに暮らす人々、訪れる旅人の心を癒す美しい街です。「平成の名水百選」にも選ばれた「居醒の清水」もあり、季節によっては結構な観光スポットにもなっているようです。夏も終盤、暑い中、滋賀県へとGS-ADVで出かけました。

 

8月23日(火)
 4時前に起床して5時ジャストに自宅前を出発。この時間のスタート、朝駆けは大好きです。涼しいしクルマもいないし快適です。
 岡谷インターから長野自動車道に入ります。岡谷ジャンクションから中央自動車道を小牧方面へ。前回ツーリング後に給油をしておかなかったので、今朝はいずれかで補給が必要。恵那峡SAの出光で給油。ADVのタンクは26リットルを飲み込みました。
 恵那峡を出たところでいきなりの本格的な雨。そんなわけで、多治見ICで自動車道を降り、近くの商業施設の陸橋下で雨具着用。

多治見ICの近くのショッピングセンターに架けられている陸橋の下で雨宿りと雨具着用。ラリースーツ付属のレインウェアはしっかりした作りで信頼を寄せることができます。

 今日の雨具はラリースーツ付属のもの。これ、質感・クオリティも「付属品」の範疇でないと思います。ラリースーツは確かに高額でしたが、この「付属品」雨具も含んだ価格です。ある面コスパに優れている…と言えるかもしれません。
 雨対策をして再び多治見ICから自動車道に。走行モード(※)も「RAIN」として丁寧に走ることに努めます。とは言いながら…。GSの安定感にはワイドオープンになってしまうんですよねえ。

(※)走行モード …に関する反省
 和歌山からの帰り道。日の暮れた中央道中津川のあたりでガス残量に気を配りたい状況になりました。走行モードをECOに…と思い右手でボタンを押しますが、出てくるモードは「DYNAMIC」「DYNAMIC  PRO」「ROAD」「ENDURO」の繰り返し。あらら、プリセットできる4つのモードに「ECO」も「RAIN」も除外していた…という次第。

 

 小牧JCT名神高速道に入ります。この辺りでは雨も小降りになりました。一方、ちょうど出勤時間帯となり、少々混みあってきました。
 さて、ライダーの皆様ご承知の通り、木曽川を渡る橋では新幹線と並走できる区間があります。バイク乗りあるある(…ねーよ!)かどうかわかりませんが、私も30年くらい前にZZ-R1100に乗り始めた頃、ここで新幹線との並走…プッチ(笑)を試みました。結構いい線いく! しかし、やはり新幹線は速かった! もう時効ですよね。

 養老SAで雨装備を解除するとともに、ドトールでモーニングセットにて朝食。関ケ原を越えれば晴れるだろうと踏んでいましたが目論見通り。米原ICを出た頃は青空でした。ただし、暑くなりそうです。

自宅5:00      岡谷IC    多治見6:35    

小牧JCT    養老SA (朝食)

米原IC      JR醒ヶ井駅8:20

 米原ICを降りてから、国道を関ケ原方面に戻るように走行すると、じきに「醒ヶ井」へと至ります。まずはJR駅で情報収集。観光案内板が用意されていました。事前に調べてきたことと照らし合わせて、これからの動きをアタマに入れました。

JR醒ヶ井駅に設けられている観光案内版。歩いて回る方が相応しい範囲と距離感だと思います。今回は申し訳ありませんが、GSで回らせていただきました。

  醒ヶ井駅から国道を横切って、生活感の漂う宿場町へと入っていきます。GSのエンジン音が静謐な雰囲気を壊さないように、極力ゆっくり静かに道端を進みました。
 まず、目に飛び込んできたのが、こじんまりしているけれど風格のある郵便局です。 

 神戸の旧居留地38番館など、数々の西洋建築を手がけた米国のウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計に携わったとのこと。内部も見学できるようですが、まだ開館時間になっていませんでした。

風格を感じる郵便局です。1915年(大正四年)に建てられました。
ヴォーリズが設計したとされる洋風建築です。
現在は醒井宿の歴史を紹介する資料館になっいます。
なお、国の登録文化財となっています。
JAF優待の幟旗は…ないほうがいいなあ。

 やがて、石造りの小さな橋が見えてきました。流れる川は「地蔵川」と呼ばれています。清らかな地蔵川と沿うように立ち並ぶ民家が、たいへんに調和した風情です。ここも、ゆっくり静かにGSを走らせました。しかし、つくづく思うのですが、このGSというバイク。このような古い宿場町の狭い路地でも実に扱いやすいのです。

 さて、この地蔵川には、5月中旬から8月下旬にかけて「梅花藻」という水中花が咲くのです。シーズン中は多くの人で賑わうそうですが、この日は平日でもあり静かなものでした。「梅花藻」はキンポウゲ科の淡水植物とのことで、水温14℃前後の清流でしか育たない貴重な花とのことです。白くて小さい花は梅に似ています。

清流の中に咲く花は「梅花藻」とよばれます。山で見かけるミヤマキンポウゲににているな…と思っていたのですが、キンポウゲ科の植物だとのことです。
醒井宿を流れる清流・地蔵川
石造りの橋が素敵な風情を醸し出しています。
清流の中に可憐な花が咲いています。

その②へ続く