涙の水がなければ If watered not by tears
涙の水がなければ If watered not by tears
長野県内の大多数の小中学校では、先週のうちに卒業式が行われました。
学校で最も大切な行事のひとつです。卒業生を晴れやかに送り出す様々な思いがひとつに結実するのが卒業式です。子どもたちの成長を共に喜び、感謝し合い、未来を祝福し合う、お互いの心と心が通い合う素敵な「卒業式」は、その年度の集大成であってほしい行事です。
それと同時に、職員の離任式も行われます。先日の新聞では高校教員の人事異動が発表されていましたが、義務教育諸学校も県教委の発表を待って、明日24日に公表されます。
現職の時は、毎年のこととは言え、これまで大変にお世話になりともに日々を過ごしてきた同僚とお別れすることは淋しいことでした。自分が異動するときも同様です。お世話になった方々、親しくしていただき、心知った仲間、馴染みのある環境から離れていくということは、さびしいばかりでなく、心細いということも事実です。
お別れの式…離任式も、心を込めた感謝の思いが沸き起こるようなものでありたいと思ってきました。ともに力を尽くしてきた感謝と、これから始まる新しい活躍の場への祝福に満ちたものに。さびしい別れですが、そんな転任や別離にあたっては、私はこんなことを思い出すようにしていました。
私はいばらのない道を求めない 悲しみが消えよとも求めない
日のあたる毎日も求めない 夏の海も求めない
輝く陽光と 永遠の昼のみでは 大地の緑は しぼみ衰える
涙の水がなければ 歳月を通じて
心の奥底は 希望のつぼみを閉じる
人生のどんなところでも 気をつけて耕せば
豊かな収穫をもたらすものが
手の届く範囲にたくさんある
こちらは「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を云う」の詩で知られる サムエル・ウルマンの詩です。
間もなく迎える新しい春。ともに歩み、ともに過した日々と、そこからお互いに学び得たことを生かし、大切にしながら、それぞれの場で自分を精一杯生かして行くことを大切にしていきたいと思います。