GS1250ADV SUGURU’s DIARY

還暦超のアルピニスト・バイク乗りの極めて平凡な日常

感覚の過敏な人に  環境についての合理的配慮

◇感覚の過敏な人に  環境についての合理的配慮を
 前回、「感覚過敏」について触れました。「過敏」というのも、考えてみれば、多数(と思われる)側からの言い方であって、見方を変えれば、多数の方が「感覚鈍麻?」といえるのかもしれません。
 教員時代には、多くの鋭敏で繊細な感覚を持つ児童生徒にも出会いました。彼ら彼女たちが、落ち着いて、集中して学びに立ち向かっていく「教室環境づくり」を、いかにして進めるかは、学級担任を務めていた時の私にとって、大変切実で重要な問題でした。日照や室温という問題から、掲示物や教材・教具の置き場所、さらには黒板周りの整理なども、様々な事情を持った子どもたちにとって、より過ごしやすい場所、落ち着ける場所であるためにはという観点から、配慮していくことが必要です。誰もが過ごしやすい「ユニバーサル・デザイン」という面から見つめなおした教室環境づくりが求められる時代になってきました。
 このことは「学びの場」としての学校環境の問題だけではありません。今では、多くの公共施設、商業施設等でも大切に考えられるようになっています。そして、「働く場」「仕事の場」の環境も、より多くの人々が、障がいのある人もそうでない人も、安心して快適に過ごすことのできるという「ユニバーサル・デザイン」を意識して作り上げていくことが大切だと考えます。

➀視覚過敏への合理的配慮
・明る過ぎる環境が苦手  →  薄い着色の眼鏡着用を可能とする。
・蛍光灯の光が苦手  →  自然光が採光できる場所に机を置く。
・PC画面が明る過ぎて疲れやすい  
 →  PC画面の輝度を調整する。フィルターを使用し、眩しさを抑える。
・人の動きが気になって仕方がない / 人の出入り、ドアの開閉音が苦痛
 → 入口から距離のある場所や、人々の動線から離れた所に机と席を移動する。
   または、自席の全面やサイドをパーテーションで囲うことを可能とする。

➁聴覚過敏への合理的配慮
・賑やか(騒がしい)環境が苦手  
 →  集中が必要な時には耳栓やイヤーマフを装着することを可能とする。
   ヘッドホンの使用を可能とする。
 →  声量やトーンを下げる、必要以上の会話を控えるなど、静かな環境づくりに配慮する。
・聞き取りが苦手  
 →  メモをとる。それが難しいほどの情報量の際には、文書(痕跡型情報)として情報を提示するようにする。
・小さな物音や特定の種類の物音が耳に突き刺さるように感じて苦痛を覚える
(例:時計の秒針が刻む音、冷蔵庫の作動音、ベルや掃除機などの音)
・音の遠近感をうまく把握できない
・人混みなどの騒がしい場所だとすぐに疲れる

➂嗅覚過敏への合理的配慮
・隣席に座っている同僚の香水が苦手
 → 上司に相談し、上司から該当者に声をかけてもらう。マスクを着用。換気扇を活用。
・昼食時の匂いが苦手
 → 仕事スペースと昼食スペースを分けるよう職場全体でルール化。

➃触覚、その他過敏への合理的配慮
・肩をたたかれたり握手をしたりなど、他人との接触が苦手
 → 事前に職場の人に伝え、自分の困り感を理解してもらう。
・手や足を中心に装着物が苦手(手袋等)
 → 過敏に反応しないような装着物に極力変更する。

 以上、ほんの一例ですが、こんな観点からも職場環境を見つめていただきたいと思います。