GS1250ADV SUGURU’s DIARY

還暦超のアルピニスト・バイク乗りの極めて平凡な日常

美しい水辺の宿場町と清流に咲く花  中山道「醒ケ井宿」を訪ねて その②

 梅花藻の見ごろは7月下旬から8月下旬と言われています。また、大雨の後は花が散ったり増水したりするため観賞には適さないとのことでしたが、この日は涼やかな清流の中に咲く可憐な花を堪能することができました。ありがとうございました。

 さて、醒井には何か所も湧き水があるのですが、そのひとつ「西行水」を訪ねました。古来より西行法師にまつわる伝説が残されている湧き水です。
 西行法師は、わたくし昔から大変に憧れている御仁で、その足跡や所縁の土地を訪ねるツーリングもしているところです。このブログにも以前に幾つか投稿しています。これは訪ねるしかありません。梅花藻を鑑賞できる場所からは少し離れていますが、生活感のある街道中に位置しています。
さて、ここに伝わる伝説とは次のようなものです。

西行法師が東国へ旅をしている途中、醒井にあった茶屋で足を休め、お茶を飲みました。茶屋の娘が西行法師に思いを寄せ、西行法師が茶屋を去った後、飲み残したお茶の泡を飲んだ所、何故か妊娠し男児を出産しました。

 ということです。ううむ…。佐藤義清さん(西行法師の俗名)どうしちゃった? 
 娘さんの言い訳?に利用されてしまったのでしょうか?
 それとも、ご当人がオイタしちゃったのか…?
 西行さん…認知したのかしらん? などと伝説を前に無粋なことを思う還暦ライダーでした。

左 西行水の湧水はこの奥になります。宿場町のなんとも生活感が漂うところにひっそりとおかれています。
右 供物などが置かれていて、地元の皆さんに大切にされてきたことを感じます。

 この伝説には続きがあるのですが、「なんともなあ…」な結末です。西行法師の名が出てくる伝説はたくさんありますが、これはあまり美しくないなあ…と感じてしまいます。

 西行法師が帰りに再び同じ茶店に立ち寄り、この話を聞くと「本当に我が子であるのならば、元の泡へ戻れ」と唱えました。すると子どもはたちまち泡となって消えてしまいました。

 子どもを消してしまうという結末は、どうも好きになれません。何故に西行法師が登場したか。有名人は大変ですね。

 

 再びメインな街道へ戻り、老舗醤油醸造元・喜代治商店によりました。醒ヶ井の湧水で仕込んだ風味豊かなおいしい味を創業以来守り続けています。伝統の「ヤマキ醤油「味噌」を商っています。ここで家人へのお土産を調達しました。ご主人とお話ししたところ、娘さんは松本に暮らしているとのことでした。

なんとも趣深い老舗醸造元の店構え。「醤油プリン」というスイーツが販売されていましたが、今回は試しませんでた。卵かけご飯にピッタリ!という「ぴよ丸」の名称が魅力的なお醤油などを購入しました。

 次いで「丁子屋製菓」という創業100年を超える老舗和菓子店にも立ち寄りました。醒井の名水を使った和菓子、とくにこの時期は「水まんじゅう」が人気商品だそうです。お土産のお菓子を何点かと、ご当地ソフトクリーム「梅花藻ソフトクリーム」をいただきました。「梅花藻パウダー」を練り込んだ薄い緑色をしたソフトクリームで、ここでしか味わうことができません。地蔵川畔に置かれたベンチで還暦おやじが一人でソフトを舐めているのは奇妙な図ですが、暑さの中たいへん美味しくいただきました。

宿場町の老舗和菓子店「丁子屋」さん。梅花藻のパウダーを練りこんだというご当地ソフトをいただきました。薄緑色が目にさわやかな逸品です。

 その後、再び米原ICから彦根ICへと出ました。名勝・彦根城は何度か来て「ひこにゃん」とも会っていますし、この暑さで城めぐりはパスしたいです。ビワイチ(琵琶湖一周)でもしようかとの思いはありましたが、この近畿地方の暑さというのは、信州人には厳しく堪えます。琵琶湖沿いに走るのは、それでも涼しいですし、爽快レイクサイドRoadではありますが、今日のところはこのあたりで撤収かな…と思いました。

左 琵琶湖はやっぱり諏訪湖よりはるかにでっかい! 「琵琶湖周航の歌」作詞者は諏訪郡湊村出身の小口太郎さんです。三高(現在の京都大学)在校時に、故郷の諏訪湖の情景も思い浮かべながら作詞したといわれています。
右 ビワイチは涼しくなってからにしましょう。米原に戻る途中の農道では伊吹山がきれいに望めました。「伊吹山スカイライン」ももう少し涼しくなったらにしましょう!

 米原ICから高速道に入り、一路涼しい信州へと、帰路につきました。GSに乗っていると距離感が希薄になります。「立ち寄るぞ」と決意しなければSA・PAは軒並みスルーです。小牧JCTを過ぎて中央自動車道に入れば「もう地元、帰ってきたな」感に包まれてしまいます。
 岡谷の自宅到着 15時前でした…。