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還暦超のアルピニスト・バイク乗りの極めて平凡な日常

OECD国際成人力調査(PIAAC ピアック)

OECD国際成人力調査」というの ご存じですか?
 OECD国際成人力調査(PIAAC ピアック)というものがあります。OECD経済協力開発機構)が中心となって実施する国際比較調査のひとつです。児童生徒の学習到達度調査(PISA)等はマスコミでもよく取り上げられて話題になりますし、それをもとに学校教育の在り方が論じられる機会(大抵学校や教員がいいこと言われることはない…)も多いのですが、こちらはそれほどには知られていないかもしれません。
 この調査は、参加各国の成人(本調査では16~65歳)が持っている「成人力」について調査し,その力と社会的・経済的成果との関係などを分析することを目的としています。  
 ここでいう「成人力」とは、どのくらい知識を持っているかではなく、「課題を見つけて考える力」「知識・情報を活用して課題を解決する力」等、実社会で生きていく上での総合的な力のことを指しています。
 我が国を含むOECD加盟国では、様々な社会構造の変化やグローバル化の中での経済成長を促すため、国民のスキルを高める必要があるとの認識が広まっています。成人のスキル状況を把握して、各国の政策に資する知見を得ることを目的としています。また、学校教育や職業訓練など人材育成政策の参考として活用されることが期待されると思います。
 第1回調査は平成23年(2011年)に実施されました。16歳~65歳までの男女を対象として、「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」及び調査対象者の背景(年齢、性別、学歴、職歴など)について調査されました。
 この時の結果等は、平成25年にOECDの国際報告書が公表されています。日本版の報告書は、国立教育政策研究所から出されています。
 極々概略を記しますと、我が国は読解力,数的思考力の両分野において「平均得点」で参加国の第1位でした。2分野ともに16歳から65歳までのほとんどの年齢層においてOECD平均を上回っていました。また、他国では30歳前後でピークを迎えた後に徐々に低下していく傾向にあるのですが、年齢が加齢にもかかわらず高い水準を維持していたんですね。また,ITを活用した問題解決能力については,レベル2,3(中上位)の人たちが全体に占める割合がOECDの平均よりも高いという結果でした。
 さて、その調査から10年が経過していますが、今年(令和4年)9月から来年(令和5年)3月にかけて第2回の調査が実施されます。
 調査方法ですが、この調査は調査員訪問によって行われます。「読解力」,「数的思考力」,「状況の変化に応じた問題解決能力」の調査は、調査員が持参したタブレットに対象者が解答を入力する方式で行います。また、「背景調査」は調査員の質問に口頭で回答する面接方式で行われます。
住民基本台帳から無作為に抽出された日本国在住の16歳以上65歳以下の個人が対象となります。
 あなたも私も…対象になるかもしれませんよ!
 
 
 
 
 
 
白鳥保美