GS1250ADV SUGURU’s DIARY

還暦超のアルピニスト・バイク乗りの極めて平凡な日常

誰も ひとりじゃないんだよ・・ ①

誰も ひとりじゃないんだよ・・ ①
直江津への思い
 私の好きなツーリングの目的地に上越市があります。一昨日も出かけました。私的には「直江津」という地名の響きが心に刺さります。45年以上前の遠い日々の記憶ですが、東京から立山剣岳への夏山合宿に出かける時には、上野駅を夜行列車(急行「能登」か「越前」)で発ち、直江津経由で富山駅に出ることが常でした。富山方面からの帰りも同様です。行きの夜行では、暑さの中でひたすら睡眠をとることに努めましたが、帰りは合宿を終了した充実感と安堵感に浸りながら、車窓から左手に日本海の眺望を楽しむことができました。そうした時に必ず立寄るのが「直江津」でした。
 そうした頃とは駅前の様子もずいぶんと変わりました。かつては港町の駅であるのに山小屋風と言われていた駅舎も変わりました。駅前にあった明治大正時代の由緒ある風情の「いかや旅館」は、近代的な「ホテル・センチュリー・イカヤ」と変貌を遂げました。しかし、雁木作りの街並み、かつて立ち寄り疲れた体を癒して飲食したお店のいくつかは健在です。少し歩を進めると、時が止まったかのように変わらない風情も健在です。例えばその一軒…「鳥まん」さんでの食事が懐かしさを引き立ててくれるのです。時々、無性に行きたくなってしまうのです。
 日本海の景観も好きです。富山方面に走って親不知子不知の険しい海岸線に古の旅人の苦労に思いを馳せるのもいいし、新潟方面へと向かい佐渡を左手遠方に穏やかな景観を楽しみ海産物を仕入れてくることも素敵です。もう少し足を伸ばすと、良寛様の住まわれた出雲崎の海…。味わい深い素朴さを感じる場所だと感じています。海なし県に暮らす信州人は、海水浴シーズンになると「信州の海」なんてことを言います。それだけ憧れているということなのですが、これってなんだか新潟県の方に失礼な気もするんですよね。
 戦国武将の中で最も好きな上杉謙信公の住まわれた春日山城址、幼少時に学ばれた林泉寺の佇まいも大好きです。また、親鸞上人が配流された土地でもあるなど、歴史上の重要な場所がたくさんあるんですよね。
 さらには、佐渡航路のフェリーの起点です。今はなくなってしまいましたが、かつて北海道・室蘭に行くフェリー航路(東日本海フェリー…倒産してしまいました)がありました。中年以上の信越地方ライダーの方々はご利用になったのではないでしょうか。北海道に行くには便利な航路でした。今は新潟から小樽の航路ですね。直近では4年前の夏に利用しました。新日本海フェリーには55(gogo)割(55歳以上の早期予約)というのがあるのですが、これはビックリするくらいの割引率でした。そんなわけで、その折には特等個室を利用しました。素敵でした!
 このように、直江津への旅というのは、私にとって様々なことを想起させてくれる機会でもあるのです。
 そして、もうひとつ、心を揺さぶる史跡があります。
 関川河口、直江津港からも近い琴平神社の一角に、この土地の人が建立した三基の供養塔があります。「山椒大夫」に登場する厨子王・安寿・母・姥竹の供養塔です。関川は作品中では「荒川」であり年配の方たちは「荒川」と呼んでいるようです。安寿たちが野宿しようとしていた「応化橋」はありませんが、「山椒大夫」で描かれた最初の悲劇の舞台が越後国国府の「直江津」なのです。 〔続く〕